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ドイツ史の始まり 中世ローマ帝国とドイツ人のエトノス生成

ドイツ史の始まり 中世ローマ帝国とドイツ人のエトノス生成

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本商品は「旧ISBN:9784423460689」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:2013/02/01

「遅れてきた国民」と形容されるドイツ人の複雑なアイデンティティ。問題の根源を、彼らの民族と国家の始まりにまで遡り、近代的な国民国家とは異質な特殊中世的な集団的自己のあり方を問う大作。政治=国制史および政治観念史の観点から、カール大帝から叙任権闘争までの三世紀余を対象に、普遍史・救済史的に理解された「ドイツ人のローマ帝国」という自己理解が出現・展開する様相を、関連史料の網羅的検証を通じて分析する。

【目次より】
序章
 はじめに 二つの史料所見
 一 問題の所在
 二 研究の現況
 三 本書の課題
第一部 政治=国制史的アプローチによる「ドイツ史の始まり」 
    八四三〜九一九年
 はじめに プロセスとしての「ドイツ史の始まり」
第一章 八四三年:ヴェルダン条約による帝国分割
 一 政治史の概観
 二 問題の所在
 三 「ドイツ史の始まり」の始点
第二章 八八七年:東西フランク王国の最終的分離
 一 政治史の概観
 二 問題の所在
 三 アルヌルフか“諸部族”か
第三章 九一一年:東フランク=カロリング家の断絶
 一 政治史の概観
 二 問題の所在
 三 コンラート一世王権の連続性と断絶
第四章 分国・大公・“部族”
 一 ヴェルナーの「諸分国構造論」
 二 “部族 Stamm”とは何か?
 三 「民族」か“部族”か
第五章 九一九年:フランク人からザクセン人への王朝交替
 一 政治史の概観
 二 問題の所在
 三 「フランク帝国貴族」としてのリーウドルフィング家
 四 「ザクセン人」の政治的エトノス生成
 五 ポスト・カロリング期における支配の正当性
第二部 「ドイツ人」と「ドイツ人の王国」
 はじめに 「ドイツ史の始まり」の展開期
第六章 “フランク”と“ドイツ”の狭間(一)
 一 政治史の概観
 二 問題の所在
 三 国王・皇帝称号における支配観念四 “ドイツ人”の出現
第七章 “フランク”と“ドイツ”の狭間(二)
 一 オットー一世・二世統治期におけるtheodiscus / tentonicus 
 二 叙述史料における支配観念(一) 
 三 叙述史料における支配観念(二) 「アルプスのこちら側の王国」
 四 「東フランク王国」から「フランク=ザクセン王国」、
  そして「ローマ帝国」へ
第八章 オットー三世・ローマ帝国の改新・“ドイツ人”(一)
 一 政治史の概観
 二 問題の所在
 三 “ドイツ人”受容の条件
 四 「ローマ帝国の改新」と民族名の受容
 五 「改新」の挫折と「ザクセン人・ドイツ人・ローマ人」
第九章 オットー三世・ローマ帝国の改新・“ドイツ人”(二)
 一 二人のザクセン人
 二 メールゼブルクのティートマル『年代記』
 三 クヴェーアフルトのブルーノ
 四 「ドイツ王国・国王」概念の出現
 五 ローマ皇帝権と“ドイツ人”のエトノス生成
第三部 「ローマ帝国を担うドイツ人」
 はじめに 「ドイツ史の始まり」の終点
第一〇章 一一世紀前半のローマ帝国と帝権的王権理念
 一 問題の所在 
 二 アルプスの「北」と「南」 
 三 一一世紀前半の「ドイツ」概念と「超人格的国家観」の形成 
 四 特別称号
第一一章 叙任権闘争とドイツ王国 
 一 問題の所在 
 二 叙任権闘争前夜の「ドイツ王国」 
 三 グレゴリウス七世 
 四 ランペルト・フォン・ヘルスフェルト 
 五 『アンノの歌』
終章
 一 問題の所在 
 二 帝権移転論と「アウグストゥスの後継者」 
 三 「王国の名誉」 ヴォルムス協約(一一二二年)まで 
 四 公式称号 
 五 「ローマ帝国」を担うドイツ人


著者
三佐川 亮宏(ミサガワ アキヒロ)
1961年生まれ。西洋史学者。東海大学文学部歴史学科西洋史専攻教授。専門は、ドイツ中世史。北海道大学文学部史学科西洋史専攻卒業、同大学院文学研究科西洋史学専攻修士課程修了、同大学院文学研究科西洋史学専攻博士課程中途退学。文学博士。
著書に、『ドイツ史の始まり』(日本学士院賞)『ドイツ その起源と前史』『紀元千年の皇帝 オットー三世とその時代』など、
訳書に、コルヴァイのヴィドゥキント『ザクセン人の事績』などがある。

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