商品情報にスキップ
1 2

中国侠客列伝

中国侠客列伝

通常価格 2,442 円(税込)
通常価格 セール価格 2,442 円(税込)
セール 売り切れ

◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。

【内容紹介】
「弱きを助け、強きを挫く」侠者たちの壮挙。替天行道、一諾千金……。信義を重んじ、自らの命を賭して果断に行動する侠者たち。血湧き肉躍る痛快事を次々と実現するアウトロー達の強さと優しさを読み解く。

侠客の原点は、信義を重んじ個人的利害を度外視して、時には命がけで弱きを助け強きを挫くことにあります。わが国では、侠なる人々が表立って登場するのは、近世江戸時代以降だが、中国の侠の歴史は、古代にまで遡ります。
中国史上、「侠者」が出現するのは、諸国が分立した春秋時代(前七七〇—前四〇三)以降です。春秋時代も後期に入ると、老子、孔子、墨子など、乱世において、人はどう生きるべきか、社会はどうあるべきかを模索する思想家があらわれ、こうした思想家と侠者の共通性があります。
孔子は、「義を見て為さざるは勇無き也」など、信義を重視しました。また、「言必ず信、行必ず果」など、個人の不屈の意志や行動力を称揚します。老子にも「大道廃れて仁義有り云々」と仁義を強調する発言があり、墨子は大国が小国をむやみに圧迫・攻撃することに反対して、「非攻」論を唱え、「弱きを助け強きを挫く」を実践しました。道家にも墨家にも侠者の精神に通じるものがあるのは確かです。
信義を重んじ、果断に行動する侠者的存在は、乱世のエトスのなかから、儒家、道家、墨家などの思想と軌を一にして生まれたようです。侠の精神に、これらの思想と共通点があるのも当然でしょう。

本書は、歴史と物語の両面から、『史記』『三国志』などの歴史書、『水滸伝』『聊斎志異』や元代の戯曲などから、選りすぐりの中国の侠者の変遷を具体的にたどり、スケールの大きな大陸的「侠」の世界に遊びます。

*本書の原本は、2011年に小社より刊行されました。

【目次】
はじめに
実の部 歴史上の侠
 第一章 輩出する侠者たち 春秋戦国時代
 第二章 変わりゆく遊侠無頼 漢代
 第三章 三国志の英雄 三国六朝時代
虚の部 物語世界の侠
 第四章 超現実世界の物語——唐代伝奇の侠
 第五章 侠者のカーニバル——『水滸伝』
 第六章 舞台の上の侠——元・明・清代
結びにかえて——清末にみる侠の精神
  あとがき
 参考文献


著者
井波律子(いなみ・りつこ)
1944年生まれ。京都大学文学部、同大学大学院文学研究科博士課程修了。中国文学専攻。金沢大学教授、国際日本文化研究センター教授を歴任、現在同センター名誉教授。著書に、 『読切り三国志』 『中国のグロテスク・リアリズム』 『酒池肉林 』『中国のアウトサイダー』 『三国志演義』 『裏切り者の中国史』『中国的大快楽主義』『中国の隠者』 『中国ミステリー探訪』『トリックスター群像』(桑原武夫学芸賞)『中国の五大小説(上・下) 』、訳書に『三国志演義』など。

詳細を表示する