冒険商人シャルダン
冒険商人シャルダン
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
世界を旅し、記録した「マイナーな男」の波瀾万丈
時代に翻弄され、家庭に悩んだ旅行記作家の生涯。歴史の小さな襞から、17世紀の<世界>を照らし出す。
多様な宗教と言語が行き交うペルシアで成功を収めた商人にして旅行記作家のジャン・シャルダンは、新教への迫害が続く息苦しい故郷・パリを捨ててロンドンに移住し、爵位を得た。しかし、彼の最大の悩みは、怠け者の長男の行く末だった——。時代に翻弄されつつ「一級史料」を書き残した市井の人物の生涯と、彼らが生きた17世紀の社会を活写する。
「はじめは、300年も前のこんな「マイナーな人物」に関して十分な史料があるのだろうか、と疑っていたのだが、出るわ出るわ、こんなことまでと思うほどたくさんの新しい事実が明らかになり、私はシャルダン研究に夢中になっていった。第4章の冒頭にも記したように、史料としてまだほとんど使われていないシャルダン関係の大量の手紙や文書類をイェール大学で「発見」した時、私の興奮は最高潮に達した。」——<「おわりに」より>
※本書の原本は、『勲爵士シャルダンの生涯——十七世紀のヨーロッパとイスラーム世界』として、1999年に中央公論新社より刊行されました。
【目次】
序 章
シャルダンの伝記とその意味/フランス──「太陽王」の世紀/イギリス──二度の革命の時代/ペルシア──イスファハーンの栄華/インド──ムガル朝の時代/誕生と幼少時代のシャルダン
第一章 「東方」への旅 冒険商人シャルダン
旅の始まり/一度目の旅とペルシア王との出会い/イスファハーンとの出会い/インド、そして旅の終わり/つかの間のパリ/新たな契約/二度目の旅の始まり/イスタンブルにて──フランス人意識/イスタンブルにて──ギャランとの出会い/ミングレリアでの冒険/イスファハーン到着/ナージルとの商談/カレとの出会い/グルロとの喧嘩別れ/インドへの渡航の試み/イスファハーンでの生活/シャルダンと女性/インドでのシャルダン/スーラトでの会社解散
第二章 もう一つの世界ペルシア 旅行記作家シャルダン
シャルダンの出版計画/「決定版」の中身/「百科全書」と宗教家シャルダン/ペルシアにおける少数派の宗教/ゾロアスター教徒とユダヤ教徒/イスファハーンに住むインド系の人々/アルメニア教会の人々/グルジア系の人々/多様な宗教と言語、エスニシティー
第三章 近くて遠い国イギリスへ 勲爵士シャルダン
帰国の日付のミステリー/一六八〇年のフランス/帰国早々のロンドン行き/王立協会の誘い/タヴェルニエとシャルダン/アンリ・ド・ジュステル/結 婚/イギリスへの移住/受 爵/帰 化/王立協会への入会/イーヴリンとの交流/東インド会社への加入/取締役選挙の怪/アルメニア商人との連携/レスター・フィールドとグリニッジ/ターナム・グリーン──終の棲家/ユグノーの援助者シャルダン
第四章 ロンドンとマドラスの間 シャルダンの後半生
「小さな発見」/弟との会社設立/弟夫妻との通信/手紙の実際/「シャルダン商会」の貿易/家族と妻の死/ダニエルのイギリス帰還問題とシャルルのインド行き/ダニエル帰国せず/シャルルの不始末/六人の子供たち/ダニエルとの諍い
終 章
遺言状/絵の中のシャルダン/義妹への最後の手紙/彼は旅することで名をなした/ヨーロッパとイスラーム世界、そのイメージの転換/裏返った合わせ鏡
おわりに
学術文庫版あとがき
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著者
羽田正(はねだ・まさし)
1953年大阪市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。パリ第3大学で博士号取得。東京大学東洋文化研究所所長を経て、東京大学理事・副学長、東洋文化研究所教授。主な著書に『イスラーム世界の創造』(アジア・太平洋賞特別賞、ファーラービー国際賞)などがある
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