恋する武士 色と権力の日本中世史
恋する武士 色と権力の日本中世史
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
日本史上、約700年にわたって権力の座にあった「武士」とは、いかなる存在だろうか。1970年代以降の中世史や社会史の研究の進展によって、「武士像」は大きく書きかえられてきた。王朝国家の中央「軍事貴族」として登場してきた武士は、必ずしも古代王朝の「貴族」と対立する存在ではないという。そうした武士の「闘う存在」としての側面だけではなく、「色恋模様」から、武士の本質と武家社会の裏面史に迫る異色作。
中世社会においては、「恋」は「権力」に直結する問題だった。その成就、ひいては婚姻関係、感情のもつれなどが、権力の失墜あるいは強化をもたらし、以後の家格にも影響を与えたのである。
多情多恨の女房歌人・和泉式部の最後の男性、藤原保昌。秀歌の褒美に鳥羽院の女房・菖蒲御前を賜った源頼政。分不相応の恋の切なさを断ち切って出家した佐藤憲清あらため西行。将軍源頼家に恋女房を横取りされて激昂した御家人・安達景盛。夫唱婦随の「権力の夢」に破れた北条時政と牧の方の陰謀事件。近世の歌舞伎の題材にもなった婆娑羅大名・高師直の無軌道な邪恋。『吾妻鏡』『太平記』などに語られる逸話の数々は虚実ともどもだが、まさに「恋は歴史を紡ぐリンケージとして作用した」ことを示している。
『恋する武士 闘う貴族』(山川出版社、2015年)の第1部を原本として文庫化。
【目次】
はしがき
第一章 王朝武者の色とりどり
1 王朝武者の恋の系譜
2 内乱期、武士の恋模様
第二章 鎌倉武士の懸想
1 懸想の顛末
2 色々の執心
第三章 動乱期南北朝と修羅の恋
1 「偕老の契り」と修羅の諸相
2 武将たちの恋の深淵
学術文庫版のあとがき
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著
関 幸彦(セキ ユキヒコ)
1952年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻後期博士課程満期退学。日本大学文理学部元教授。著書に『武士の誕生』『「国史」の誕生――ミカドの国の歴史学』『英雄伝説の日本史』(講談社学術文庫)、『〈幕府〉の発見』(講談社選書メチエ)、『承久の乱と後鳥羽院』『その後の東国武士団─源平合戦以後』『東北の争乱と奥州合戦』『奥羽武士団』(吉川弘文館)、『北条政子─母が嘆きは浅からぬことに候』(ミネルヴァ書房)、『その後の鎌倉─抗心の記憶』(山川出版社)、『刀伊の入寇』(中公新書)、『藤原道長と紫式部─「貴族道」と「女房」の平安王朝』(朝日新書)、『武家か 天皇か─中世の選択』(朝日選書)ほか。
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