現代詩論
現代詩論
1925年に詩人としてのデビューを果たし、1967年には英国最高位の桂冠詩人となった。一方で、推理小説作家(ナイジェル・ストンレジウェイズ名義も多数)でもあったルーイスによる、現代詩をめぐる論考は今なお新しい。
「この本は戦後の或る一派の詩を検討したものである。その一派のために特に弁解しているのでもなければ、これを弁護しているのでもない。真こそは唯だ一つの弁護なのであり、真の詩はそれ自体でみづからの弁護となりうるものである。読者は詩のこの自己弁護を詩そのものに期待すべきであり、他のいかなるところにもそれをもとめてはならない。この本のねらいは或る一つの方向へ読者の目をむけてもらおう—或いは改めてむけなおしてもらいたい—というところにある。つまりそれは次の津経つの確信を土台にしているのである。戦後作家の或る人々、とりわけW・H・オーデンやスティーヴン・スペンダーが単なる同時代性というもの異常の或る共有なるものをもっているほんものの詩人であるという確信と、いまひとつ、この詩人たちの社会的、文学的なさまざまな影響や彼等のねらいどころ、ならびに彼等の技法を論ずるならば、読者はおのづから第一の確信の誤りでないことを自分でたしかめてくれるだろうという確信。・・・」(「はしがき」より)
【目次】
はしがき
詩への希望
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
第七章
第八章
第九章
第十章
第十一章
補遺
あとがき
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著者
ルーイス,セシル・デイ
1904〜1972年。アイルランド生まれの英詩人。オックスフォード大学卒業。桂冠詩人。
著作に、『羽根から鉄へ』『舞踊の時』『言葉は万物の上に』『イタリア訪問』『ペガサス』『囁く根』(詩集)など、『埋もれた時代』(自伝)、『詩への希望』『叙情的衝迫』(詩論)、ウェルギリウスの『田園詩』『農事詩』の翻訳なども手がけた。少年小説の傑作『オタバリの少年探偵たち』、さらにニコラス・ブレーク名による『野獣死すべし』(推理小説)などがある。
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