脳とクオリア なぜ脳に心が生まれるのか
脳とクオリア なぜ脳に心が生まれるのか
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
「『脳とクオリア』に書かれていることは、それなりにオリジナルなことだと信じている。刊行から二十年以上が経った今でも、類書はあまりない。内容も古くなっていない。それは、本書の価値であると同時に、意識研究、より広く言えば脳科学研究、さらには人工知能研究の現状を示しているとも言える。」——「文庫版へのあとがき」より
私たちの心の中で起こっていることは、すべてニューロンの発火である。これが、恐ろしく複雑な分子機械である脳の、単純な作動原理でもある。しかし、ニューロンがシナプス結合を通して、お互いに複雑に影響し合うことによって、私たちの心の中には、熱帯雨林の生態系のような豊かなクオリア(質感)が生じる。クオリアが多彩で、柔軟性に富んでいるということは、そのまま私たちの脳の中の情報処理の多彩さ、柔軟性の反映なのである。
そして、この一つ一つのクオリアを、私たちの心は、他とは混同しようのない個性をもったものとして捉えている。つまり、私たちが感覚をとおして世界を認識するということは、クオリアの自己同一性を通して世界を認識するということである。クオリアという質的表現が、数字や量による表現とは比べ物にならないくらいの多様なものを感覚し、認識することを助けているのだ。
自然科学としての「因果的自然」と、クオリアが表す「感覚的自然」——すなわち「脳」と「心」は、どのように結ばれるのか? 「クオリア」という感覚的自然にとっては自明な属性は、因果的自然と、どう結びつけることができるのか?
私が私であることの不思議、意識の謎に正面から挑む、科学者の主著!
*本書の原本は、1997年に日経サイエンス社より刊行されました。文庫化にあたり、加筆修正を行いました。
【目次】
序章 「心」と「脳」を「クオリア」が結ぶ
第1章 認識は「私」の一部である
第2章 「反応選択性」と「認識におけるマッハの原理」
第3章 認識の要素
第4章 相互作用同時性の原理
第5章 最大の謎「クオリア」
第6章 「意識」を定義する
第7章 「理解」するということはどういうことか?
第8章 新しい情報の概念
第9章 生と死と私
第10章 私は「自由」なのか?
終 章 心と脳の関係を求めて
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著者
茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)
1962年、東京都生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学大学院物理学専攻課程修了(理学博士)。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。〈クオリア〉をキーワードに脳と心の関係を探究しながら、文筆家、批評家としても幅広く活躍する。著書に『生きて死ぬ私』『脳と仮想』『クオリア入門』『記憶の森を育てる』『東京藝大物語』ほか多数。
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