イギリス荘園の成立(補訂版)
イギリス荘園の成立(補訂版)
本商品は「旧ISBN:9784423492161」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:2008/06/01
叢書・シリーズ名:名著翻訳叢書
【内容紹介】
本書ははげしい論争がくりかえされてきたイギリス封建制の起源および性格にかんして、巨大なスケールと緻密な実証を兼ね備えた名著として名高く、二十世紀史学がいまなお乗り越えられない十九世紀古典学説の金字塔である。すなわち、著者は荘園の起源をアングロ・サクソン文明の伝統に求めるゲルマニストの立場に立ちながら、荘園のもつ共同体的性格と近代個人主義との差異をあざやかに描き出している。巨匠の名にふさわしくヴィノグラードフの中世像の全容をあますところなく示している書である。
荘園の起源をローマの奴隷制社会におくか、それともアングロ・サクソンおよびケルト文明の伝統におくか? 中世的共同体である荘園の性格は近世以降の個人意識とどのような係わりをもっているか? 本書は、古くから議論の多いイギリス封建制の起源および性格にかんし、巨大なスケールと緻密な実証をかねそなえた名著として名高く、しかも総合と調和の時代19世紀の所産でありながら、いまだ越えることのできない古典学説の金字塔である。翻訳は中世英語が多く難解な原文を達意の日本語に移している。
【目次】
序文
第一篇 サクソン以前の時代
第一章 ケルトの種族制度
第一節 血族制
第二節 土地保有
第二章 ローマの影響
第一節 ローマ人とブリタニアのケルト人
第二節 土地の私有と課税
第三節 領地
第一篇への註
第二篇 古サクソン時代
第一章 サクソンの征服
第一節 サクソンの定住に関する一般的見解
第二節 身分と階級
第二章 人民の集団
第一節 血族
第二節 聚落
第三章 聚落における分前
第一節 賦課単位としてのハイド
第二節 耕地単位としてのハイド
第四章 開放耕地制
第一節 農耕上の諸制度
第二節 聚落の機構
第五章 保有の歴史
第六章 マナーの起源
第二篇への註
第三篇 封建時代
第一章 ドゥームズデイ調査の諸原理
第二章 所有権と農耕
第三章 社会階級
第三篇への註
ヴィノグラードフの略歴・著作目録 鈴木利章
あとがき 富沢霊岸
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著者
ポール・ヴィノグラードフ(ポール・ヴィノグラードフ)
1854〜1925年。ロシア生まれの法制史学者(イギリスに帰化)。モスクワ大学、オックスフォード大学で教鞭を執る。モスクワ大学、ベルリン大学に学ぶ。
著書に、ヴィノグラドフ『法における常識』(末延三次・伊藤正己訳)『イギリス荘園の成立』(富沢霊岸・鈴木利章訳)などがある。
富沢 霊岸(トミザワ レイガン)
1926年生まれ。西洋史学者。関西大学名誉教授。
著書に、『イギリス中世史』『イギリス中世文化史』『イギリス中世史概説』『イギリス中世国世史の研究』『封建制と王制』など、
訳書に、『イギリス荘園の成立』(共訳)などがある。
鈴木 利章(スズキ トシアキ)
1937年生まれ。神戸大学名誉教授。京都大学文学部卒、同大学院文学研究科博士課程修了。
著書に、『デーンロー地帯とノルマン征服—英国中世史研究』、
訳書に、P・ヴォノグラードフ『イギリス荘園の成立』(共訳)P・ゲイ『歴史の文体』R・W・サザン『ヨーロッパとイスラム社会』J・H・プラム『過去の終焉 現代歴史がへの提言』J・ベラミ『ロビン・フッド—歴史学からのひとつの試み』W・ウルマン『中世における個人と社会』などがある。
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