イブン・ジュバイルの旅行記
イブン・ジュバイルの旅行記
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
本書は通称「イブン・ジュバイルの旅行記」、原題「旅路での出来事に関する情報覚え書き」の全訳です。才智あふれるジュバイルが美文で綴ったこの「旅行記」は、12〜13世紀にあっては優れたメッカ巡礼案内として広く読まれ、また後にはイブン・バットゥータ(14世紀)などの旅行記のお手本とされ、多くの旅行記編者が都市の記述を「借用」してきました。そして現在、中世イスラム社会の事情を知る上では欠かせない、貴重な文献となっています。
敬虔なイスラム教徒で、ムワッヒド朝のグラナダ太守に書記として仕えていたジュバイルは、太守が戯れに「酒盃七杯飲むべし」と下した厳命に抗えず、禁を犯してしまいます。それを悔いた太守が盃七杯に金貨を満たして与えると、ジュバイルは罪を償うためにその金貨を元手にメッカ巡礼に旅立ちました。
キリスト教徒の巡礼者と同船してアレクサンドリアへ。メッカでは大モスクやカアバ神殿の威容に触れ、メディナからバグダッドへ。そして「東方の真珠」ダマスクスでウマイヤ大モスクに圧倒され、十字軍支配下にあったエルサレムでは、かのサラーフ・アッディーン(サラディン)の勝利の目撃談に触れる……。ベドウィンの襲撃、船の難破に遭うなど、艱難辛苦の旅を詳述した「旅行記」ですが、十字軍時代の地中海東方事情を知るための基本図書でもあります。
*本書の原本『旅行記』は、関西大学出版部より、1992年に刊行されました。文庫化にあたり改題しました。
【目次より】
まえがき(監訳者による)
1 グラナダ〜エジプト
2 メッカ巡礼
3 聖都メッカ
4 メディナ〜バグダード
5 マウシル〜アレッポ
6 ダマスクス
7 アッカ
8 シチリア〜アンダルス
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著者
イブン・ジュバイル
本名はアブー・アルフサイン・ムハンマド・イブン・アフマド・イブン・ジュバイル。スペインのヴァレンシア地方で、アラブ人ムスリムの家に生まれる。シャーテイバでイスラム諸学を学び、とくに詩文・散文に秀で、世間に名を知られる。グラナダ太守に書記として仕えていた1183年、メッカ巡礼に旅立つ。2年3ヵ月に及ぶ苦難の長旅を克明に記した「旅行記」は、その後の旅行記作家に盗用されるところとなり、また当時の地中海東方世界の社会事情を知る上での格好の史料となった。その後も東方旅行を行っているが、3度目の旅先アレクサンドリアの地に教育者として足をとどめ、1217年に没している。
訳者
藤本勝次(ふじもと・かつじ)
1921ー2000。京都大学東洋史学科卒業。関西大学名誉教授。専攻はイスラム文化史。主な著訳書に『マホメット』、『コーラン』(共訳)などがある。
訳者
池田修(いけだ・おさむ)
1933年生まれ。大阪外国語大学卒業。大阪外国語大学学長、四天王寺国際仏教大学教授等を歴任。大阪外国語大学名誉教授。専攻はアラビア語学、アラビア文学。主な著訳書に『アラビア語入門』、『コーラン』『アラビアン・ナイト』(共訳)などがある。
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