インドネシアの米
インドネシアの米
本商品は「旧ISBN:9784423850121」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:1958/09/20
【内容紹介】
農業の立ち遅れていたインドネシアの食料自給率を上げるために、1965年にビマス計画(食糧自給集団集約栽培計画)が開始された。インドネシア国民銀行は、農民にマイクロ・クレジットを与え、それを元手に、農民は種、肥料、農薬などの資材を供与し、政府の営農指導員が教育を行った。その成果により、米の増産が図られ、輸入量が減少した。その計画は、単なる増産にとどまらず、加工、調整、流通、農村開発も射程に入っていた。農業経済学の実例を記録した一冊である。
【目次より】
はしがき
序論 ビマス計画にかんする研究の過程と課題
1 研究の経過 ー 3 研究の目的と課題
第1章 インドネシア経済における米
1 インドネシアの経済安定と米 スハルト政権の米増産政策の直接的背景 2 インドネシア経済に占めるコメの重要性 スハルト政権の米増産政策の間接的背景
第2章 インドネシア米作の自然的基礎
1 インドネシアの位置・面積・地形 ー 3 インドネシアの地質および土壌
第3章 インドネシア農業の特質
1 インドネシア経済における農業の重要性 ー 7 家畜組制度
第4章 インドネシアの米の生産と流通
1 米の生産 2 米の流通と消費
第5章 スカルノ政権の経済開発計画と米増産計画
1 スカルノ政権下の米増産計画とスハルト政権下の米増産計画との関連 ー 6 ビマス計画
第6章 スハルト政権と米増産計画 ビマス計画の発展と「米危機」
1 ビマス計画の強化 ー 3 第1次開発5ヵ年計画と米増産計画
第7章 ビマス・ゴトンロヨン計画
1 ビマス・ゴトンロヨン計画の背景と動機 ー 6 ビマス・ゴトンロヨン計画の評価
第8章 改良ビマス計画
1 改良ビマス計画の背景 2 改良ビマス計画の発展
第9章 米増産計画の修正と第二の米危機
1 米増産計画の修正 2 第二の米危機と米増産目標の引上げ
第10章 ビマス計画の評価と教訓
1 岐路にたつビマス計画 ー 4 ビマス計画のありかた
第11章 インドネシア米増産の展望 農業の将来と関連して
1 至上命題としての米増産 ー 3 インドネシア米作の将来
補論 第2次開発5ヵ年計画と米増産
1 第2次開発5ヵ年計画 2 第2次開発5ヵ年計画における米の増産計画
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著者
本岡 武(モトオカ タケシ)
1915〜1983年。農業経済学者。京都大学教授。京都大学東南アジア研究センター所属。京都帝国大学農学部農林経済学科卒業、同大学院進学。専門は、農業開発論。
著書に、『東南アジア農業開発論 (東南アジア研究双書〈3〉)』
『インドネシアの米 とくにビマス計画にかんする研究』など、
訳書に、R・L・コーエン『農業経済学』アール・O・ヘディ『経済発展と農業政策』W・D・トウサーン『経済発展と農業政策』などがある。