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エドガア・ポオ論考

エドガア・ポオ論考

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エドガア・アラン・ポー(1809ー1849)は、アメリカの詩人・小説家で、文筆活動で生計を立てた初期の著名な人物のひとりでもあります。
ゴシック風の恐怖小説「アッシャー家の崩壊」「黒猫」やはよく知られています。また、詩では「大鴉」がよく知られ、アメリカよりもむしろヨーロッパでの評判が高く、ボードレールの翻訳によって、紹介されました。後の象徴派に大きな影響を与えました。「モルグ街の殺人」は世界初の推理小説と目され、登場人物のオーギュスト・デュパンはその後の探偵の原型となりました。また、暗号小説の草分け「黄金虫」などの短編作品を多く発表しました。また、出版社を渡り歩き、編集者としても活動をした異才でした。しかし、人間関係でトラブルを引き起こすことが多かったとされています。
芥川竜之介(1892ー1927)とこの作家を比較することで、文学とはなにか? 日米の相違点、時代背景による文学のあり方などを読み解いていきます。

【目次】
序説
 一 近代文学の創始者としてのポオ
 二 アメリカ文学の疎外者としてのポオ観
 三 ポオ観修正のこころみとその着眼点
 四 世界の文学のなかに生きるポオ
第一部 二十世紀から見たエドガア・ポオの意義
第一章 ポオ評価の変遷
 一 アメリカにおけるポオ評価の概観
 二 ポオと同時代の人々の評価
 三 十九世紀後半から二十世紀にかけてのポオの評価
第二章 ポオとその社会的環境
 一 ポオの南部人気質について
 二 社会批評家としてのポオ
 三 文芸批評家としてのポオ
第三章 ポオとその文学的環境
 一 ポオと「南方文学通信」
 二 十九世紀前半の南部の文学趣味
 三 南部におけるローマン作家の流行とポオ
 四 当時の雑誌文芸とポオとの関係
第二部 芥川龍之介とエドガア・ポオ
第一章 芸術観と意識的制作
 一 芸術家の肖像
 二 芥川におよぼしたポオの影響
 三 作家の資質 理知と情熱
 四 芸術観 美の創造
 五 意識的制作
 六 芥川の回心
第二章 短篇小説の技法
 一 短篇小説家としてのポオと芥川
 二 虚構の文学 芸術と生活
 三 制作の手法
 1 芸術的効果
 2 背景
 3 事件又は題材
 4 迫真性 リアリズムの手法
第三章 鬼趣と鬼気について
 一 〈鬼趣〉と〈鬼気〉
 二 神秘と怪異への関心
 三 芥川の作品における怪異性
 四 ポオの作品における〈魂の怪異〉
 五 晩年の芥川の鬼気
結語 ふたたびポオについて
エドガア・ポオ年譜

あとがき
文献書目
索引


著者
江口 裕子(えぐち ゆうこ)
1919〜2014年。英文学者。東京女子大学名誉教授。東京女子大学英語専攻卒業。東京帝国大学イギリス文学科卒業。専門は、アメリカ文学・比較文学。
著書に、『エドガア・ポオ論考』、『芥川竜之介』(共著)、『二十世紀アメリカ南部の女性作家と南部的背景』『ポオ代表作選集』『心は孤独な猟人』などがある。

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