ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿 科学者たちの生活と仕事
ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿 科学者たちの生活と仕事
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
科学史に残るすべての発見は、科学者たちの営々たる努力の賜物といえます。しかしその業績は知られても、彼らの人となりは、なかなか表に出てきません。中でも16世紀から17世紀初頭、「科学者という職業」がまだ存在しなかった頃、天才科学者といえども暮らしは楽ではありませんでした。
パトロンを探しては自薦状で売り込んだダ・ヴィンチ(1452-1519)やガリレオ(1564-1642)、医師と聖職を副業にしたコペルニクス(1473-1543)、放浪の科学者という異名をとったパラケルスス(1493-1541)……。17世紀に入り、パトロンの庇護性が薄れてくると、莫大な遺産で暮らしたネーピア(1550 -1617)や旧貴族に生まれたデカルト(1596-1650)といった好事家貴族や資産家研究者が目立つようになるものの、発明権利の先取権争い、師弟の確執、学者同士の決闘など、研究生活は想像以上に波乱に満ちていました。
本書は天文学、数学、物理、医学の分野で名を響かせた有名科学者たちの<生活の糧>を入り口に、どんな家庭に生まれ、いかにして科学者の道に入ったのか?パトロンとの関係は? 歴史の激流に飲まれた時、どう身を処したか?-ーなど、科学者が職業人として市民権を獲得するまでの前史を、業績ではなく、彼らの「人生」というユニークな視点から辿ります。
*本書の原本は、2000年8月、中公新書より刊行されました。
【目次】
目次
第一部 パトロンに仕える科学者たち
一 ルネサンス期の科学者たち
パトロン付き科学者 大学教授 好事家科学者
二 数学者たちのなりわい
1 さまざまな数学者
独立の数学者 パトロン付き数学者 数学愛好者 大学教授
2 三次方程式の解法をめぐって
発見の先取権は誰に 代数的解法-試合の勝者は
3 謎の科学者カルダーノ
酷評相次ぐ もう一つの評価 疑問に答えて
三 天文学の開拓者
1 三人の先駆者
2 コペルニクス(一四七三〜一五四三)
辺境に生まれて イタリア遊学 聖職者となる 教会業務と天文学と 実務家としての活躍 地動説発表をめぐって 尊敬される医者として 現代の世界観の生みの親
3 ガリレオ・ガリレイ(一五六四〜一六四二)
生国イタリア さまざまな就職先 係累との関わり合い 宗教裁判の本音
4 ティコ・ブラーエ(一五四六〜一六〇一)
修業行脚を重ねる フヴェン島ウラニボリ天文台で 皇帝の庇護を得る 尊大な人柄の背景
5 ケプラー(一五七一〜一六三〇)
逆境に生まれて グラーツ時代 プラ-グ時代 リンツ時代 掉尾の勇を奮って
四 物理学の曙光
1 スティヴィン(一五四八〜一六二〇)
2 ギルバート(一五四四〜一六〇三)
五 医学の世界
1 大学医学部の地位
2 ヴェサリウス(一五一四〜一五六四)
3 パラケルスス(一四九三〜一五四一)
見聞行脚の目的 放浪の生涯 修学時代 第一次遍歴時代 バーゼル大学教授時代 第二次遍歴時代
4 パレ(一五一〇〜一五九〇)
5 ハーヴィ(一五七八〜一六五七)
イタリア留学 王党派のなかで
第二部 パトロンから独立する科学者たち
1 活動拠点は学会
王立学会とボイル パリ科学アカデミーとデカルト、パスカル、ホイヘンス ベルリン科学アカデミー
2 フック(一六三五〜一七〇三)
続出する悪評 本当に悪玉か?
3 ニュートン(一六四二〜一七二七)
偉大な科学的業績 異議申し立て続出 イギリスを離れずに 未熟児、父と死別、母と生別 内向的少年から逞しい少年へ ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ時代 ルーカス教授 同時代人との確執 精神病と政治の世界への関わり合い
第三部 職業科学者への道
一 科学者たちの職業
二 フランス革命とエコール・ポリテクニク
1 エコール・ポリテクニクの誕生
学者が政治家になる 教育の平等という理念 ナポレオンの介入
2 科学者たちの生きざま
第三身分の生い立ち 軍の学校絵数学教師となる 革命前期の経歴 激動の時代の後で 革命後世代の風雪
三 王立研究所
1 トンプソン(ランフォード) (一七五三〜一八一四)
科学への貢献 変転めまぐるしい経歴 保守主義者の社会貢献 容姿と弁舌の才に恵まれて
2 デーヴィ(一七七八〜一八二九)
助手ファラディとの確執 科学者への道と社交界
■
著者
佐藤 満彦(さとう・みつひこ)
1933年山形県鶴岡市生まれ。1956年、東京大学理学部植物学科卒業。62年、同大学院博士課程修了。64年、都立大学理学部生物学教室勤務、助教授、教授を経て、97年定年退職後、非常勤講師に。専攻:植物生理生化学。 著書『”放射能”は怖いのか 放射線生物学の基礎』(2001 文藝春秋)『科学好事家列伝』(2006 リフレ出版)など。2011年没。
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