クビライの挑戦 モンゴルによる世界史の大転回
クビライの挑戦 モンゴルによる世界史の大転回
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
「モンゴル時代」こそが世界史の転機だった。チンギス・カンの孫クビライは、ユーラシアの東西を海陸からゆるやかに統合した。人類史上に類のない帝国「大モンゴル」の興亡を描き、新たな世界史像を提示する。
13世紀初頭に忽然と現れた遊牧国家モンゴルは、ユーラシアの東西をたちまち統合し、世界史に画期をもたらした。チンギス・カンの孫、クビライが構想した世界国家と経済のシステムとは。「元寇」や「タタルのくびき」など「野蛮な破壊者」というイメージを覆し、西欧中心・中華中心の歴史観を超える新たな世界史像を描く。
サントリー学芸賞受賞作。
*本書の原本「クビライの挑戦-モンゴル海上帝国への道」は、1995年、朝日新聞社より刊行されました。
【目次】
第一部 あらたな世界史像をもとめて
1 モンゴルとその時代
モンゴルの出現/目に見えるユーラシア世界/モンゴル時代のイメージ
2 モンゴルは中国文明の破壊者か
奇妙な読みかえ/杭州入城の実態/政治ぬきの繁栄
3 中央アジア・イランは破壊されたか
チンギス・カンの西征と「破壊」/中央アジアでの「大虐殺」/中央アジアは駄目になっていない
4 ロシアの不幸は本当か
「タタルのくびき」/アレクサンドル・ネフスキーの評価/ロシア帝国への道
5 元代中国は悲惨だったか
抑圧・搾取・人種差別はあったか/科挙と能力主義のはざま/元曲が語るもの
6 非難と称賛
文明という名の偏見/極端な美化という反動
7 世界史とモンゴル時代
ふたしかなシステム論/世界史への視角
第二部 世界史の大転回
1 世界史を変えた年
アイン・ジャールートの戦い/戦いのあと/ふたつのモンゴル・ウルスの対立/モンケの急死
2 クビライ幕府
クビライの課題/混沌たる東方/なぜ金蓮川なのか/あるイメージ
3 クビライとブレインたち
モンゴル左翼集団/謎のクビライ像/政策集団と実務スタッフ/対中国戦略
4 奪権のプロセス
鄂州の役/クビライの乱/世界史の大転回
第三部 クビライの軍事・通商帝国
1 大建設の時代
なにを国家理念の範とするか/第二の創業/「首都圏」の出現/大いなる都/海とつながれた都/運河と海運、そして陸運
2 システムとしての戦争
おどろくべき襄陽包囲作戦/南宋作戦のむつかしさ/戦争を管理する思想/モンゴル水軍の出現/新兵器マンジャニーク/驚異のドミノくずし現象/中国統合
3 海上帝国への飛躍
南宋の遺産/世界史上最初の航洋大艦隊/海洋と内陸の接合
4 重商主義と自由経済
クビライ政権の経営戦略/国家収入は商業利潤から/銀はめぐる/ユーラシアをつらぬく重量単位/紙幣は万能だったか/「高額紙幣」は塩引/ユーラシア世界通商圏
5 なぜ未完におわったか
モンゴル・システム/早すぎた時代/記憶としてのシステム/ふりかえるべき時
あとがき
学術文庫版あとがき
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著者
杉山正明(すぎやま・まさあき)
1952年、静岡県生まれ。京都大学大学院文学研究科教授を経て、現在、京都大学名誉教授。著書に『モンゴル帝国の興亡』(上下、講談社現代新書)、『興亡の世界史09 モンゴル帝国と長いその後』(講談社、現在は講談社学術文庫)、『遊牧民から見た世界史』(日本経済新聞社)ほか。1995年に『クビライの挑戦』(朝日選書、現在は講談社学術文庫)でサントリー学芸賞、2003年に司馬遼太郎賞、2006年に紫綬褒章、2007年に『モンゴル帝国と大元ウルス』(京都大学学術出版会)で日本学士院賞を受賞。
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