バラの世界
バラの世界
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
冬のバラを好み、わざわざエジプトから取り寄せていたという皇帝ネロ。晩餐会で天井から大量のバラの雨を降らせ、客を窒息させたほどの愛好家だった暴君ヘリオガバルス。古代ローマ人は悪酔い防止にバラの花冠が効くと信じ、中世の詩人や作家、画家はこぞってバラを描いた……。ただの「花」がなぜ憧れの象徴となり、かくも人々を虜にし続けるのか。野生から改良種まで、世界の多様な品種を眺めつつ、はてなき美の世界を旅する!
【目次】
まえがき
第1章 クノッソス宮殿の謎
クノッソス宮殿/青い鳥/それはバラか、バラなら/バラとする根拠/ロナ・ハースト/バラは単なる花
第2章 ギリシアとバラ
テオフラストス/バラを詠む/バラ熱の兆し/何が魅力か
第3章 ローマとバラ
高貴な花へ/日常を飾る花に/休日はペストゥムで/ローマのバラとは/バラの花環/生活に欠かせぬ花に/バラの下で
第4章 バラの植物学
レーダーはいった/バラの容姿/バラの葉/托葉/バラの花
第5章 バラの園芸化の歴史を辿る
八つの野生種/一八六七年/グループとは/オールド対モダーン
第6章 オールド・ガーデン・ローズ
ローザ・ガリカ/バラ水のバラ/ジョセフィーヌの幸運/2000を超す園芸品種/ダマスクバラ/バラ戦争/マルメゾン庭園のダマスクバラ/秋に返り咲くダマスクバラ/秋に咲くダマスクバラの再来/ローザ・アルバ/ボッティチェルリの『ヴィーナス誕生』のバラ/<ジャンヌ・ダルク>/キャベジ・ローズあるいはセンティフォリア
第7章 モダーン・ガーデン・ローズの黎明期
コウシンバラとは/ハーストの見解/コウシンバラの標本/英国のコウシンバラ/英国外でのコウシンバラ/二つのチャイナ・ローズと二つのティー・ローズ/スレーターズ・クリムソン・チャイナ/パリ自然史博物館の標本/カルカッタ植物園/パーソンズ・ピンク・チャイナ/ヒュームとパークスのティー・ローズ/ノワゼットバラの誕生/ブルボン
第8章 バラの花譜
バラの画家ルドゥーテ/マルメゾンの館/フランスのバラ図譜/英国のバラ花譜/ドイツ・オーストリアのバラ花譜
第9章 世界の野生バラ
〇中国のバラ
コウシンバラ/コウシンバラの野生型/荻巣樹徳の発見/埋め難い差異/大花香水月季/多様な中国の野生バラ/峨眉山薔薇
〇ヒマラヤのバラ
ヒマラヤン・ムスク・ローズ/ノイバラの仲間/ローザ・セリケア/ヒマラヤのタカネバラ
〇西アジアのバラ
ローザ・ペルシカ/ローザ・フェティダ/ローザ・アビシニカ
〇ヨーロッパのバラ
イヌバラ/豊富なビタミン
〇アルプスのバラ
ヨーロッパのノバラ/ローザ・スピノシッシマ
〇アメリカのバラ
アパラチアのバラ/オオタカネバラ/アメリカのサンショウバラ
第10章 日本のバラ
ノイバラ/テリハノイバラ/ミヤコイバラ/ハマナス/サンショウバラ/カカヤンバラ
第11章 バラの現在・未来
園芸化の歩み/バラの園芸化の兆し/現代の園芸/バラの育種家/フランスの育種家/英国の育種家/ドイツの育種家/オランダ・デンマークの育種家/アメリカの育種家/その他の国々の育種家たち/日本のバラの育種家/特許と登録/バラに寄せる関心/バラ園/フランクフルトのパルメンガルテン/クイーン・メリー庭園/バガテル/アメリカのバラ園/日本のバラ園/バラもどきの発達/バラの町、バラの道/バラの園芸化の未来
あとがき
バラ属の分類体系
植物名索引
学術文庫版あとがき
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著者
大場 秀章(おおば・ひであき)
1943年東京都生まれ。植物学者。東京大学名誉教授、東京大学総合研究博物館特招研究員。専門は植物分類学、植物文化史。理学博士。著書に『秘境・崑崙を行く—極限の植物を求めてー』『森を読む』『植物学と植物画』『ヒマラヤを越えた花々』『はじめての植物学 』『大場秀章著作選-植物学史・植物文化史』、編著に『日本植物研究の歴史-小石川植物園三〇〇年の歩み—』東京大学総合研究博物館など多数。