ライプニッツの認識論
ライプニッツの認識論
本商品は「旧ISBN:9784423171394」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:2003/12/01
「自由意志」と「連続体合成」を哲学の二つの「迷宮」と表現したライプニッツは、実はそのさらに奥に広がる第三の迷宮、「知識の迷宮」を探索していた。かれは「懐疑主義の危機」の時代を生き、今日でも懐疑主義との対話を真剣な問題とする人々の共通する友人たる資格をもつ哲学者である。しかし、懐疑主義をめぐるライプニッツの考察のドキュメントとロジック、そしてその認識論上の意義が十分に解明されてきたとは言い難い。本書はこの点に注目し、ライプニッツが旅した知識の迷宮の冒険に光を当てるだろう。読者は、この冒険旅行に登場する「懐疑主義者たち」の多様な広がりに驚かされるに違いない。こうして見いだされたライプニッツの認識論は、時としてわたしたちを陥れる抗し難い力をもつ、懐疑の渦、知識の迷宮からの脱出のための「アリアドネの糸」なのである。
【目次より】
凡例
序 ライプニッツの哲学を認識論として読む
第一章 懐疑主義と認識論 ライプニッツ読解の一視角
第一節 「物体論」批判 ホッブズと若いライプニッツ
1 挑発するホッブズ
2 心的存在の一次性と充足根拠律
第二節 デカルト以後の懐疑主義「観念」から「表現」へ
1 ワトソンのテーゼ(フーシェとライプニッツ)
2 「観念」と懐疑
3 表現概念の形成
4 予定調和説と「構造的類比」の意味論
第三節 「自由意志」の認識問題 スピノザとライプニッツ
1 実践の形而上学
2 「自由の迷宮」
3 スピノザ批判の認識論的意義
第二章 論理と認識 論理主義的ライプニッツ解釈の批判
第四節 概念分析的真理論と認識論的問題
1 観念と内属
2 内属原理と根拠律
第五節 内属の論理学の問題構成 計算と「述語」の分析
1 形式化と算術化
2 内包と外延の可換性
3 主語は述語を「含意」する
4 内包的観点からの伝統論理学の構成
5 述語としての「存在」
第六節 内属論理の「臨界」としての「関係命題」
1 内属・関係・反省
2 述語としての「関係」
3 関係命題の「還元」
4 反省行為とモナドロジー
第三章 認識と言語 構造的類比の「意味論」
第七節 反省行為と言語「ライプニッツのコギト」へ
1 統覚理論のバイアス
2 統覚・分析的認識・表現的関係
3 ホッブズ的「思考」とデカルト的コギトの間
第八節 自然言語の「意味論」
1 ライプニッツの二つの顔
2 「記号の恣意性」のテーゼ
3 多様性と多義性
4 言語哲学と認識論
第九節 直観と論理 デカルトとライプニッツ
1 「直観主義対形式主義」
2 デカルト方法論への批判
3 明証の論理基準
4 記号のダイナミズム
第四章 認識と方法 類比・発見・最適
第十節 現象と実在 発見のための構成
1 力学と形而上学
2 力学的実在の探究あるいは「連続体合成の迷宮」
3 「内在力」と「知解可能なもの」
4 存在論と「真の論理学」
第十一節 発見法としての「真の論理学」
1 「真の論理学」=発見法=形而上学
2 仮説の方法論
3 アナロジーの論理構造
4 認識の形而上学
第十二節 「最善」の認識可能性「弁神論」の方法論
1 「信」と「知」
2 弁神論の論証構造
3 認識論的問題としての最適
第五章 認識論とモナドロジー
第十三節 ピュロニズムとモナドロジー
1 「根拠の同値」批判
2 懐疑主義の自己論駁
3 パースペクティヴィズムの実在論的性格
4 「第一の真理」
5 仮説のプラグマティズム
6 「アグリッパのトリレンマ」
第十四節 モナドロジックな「心の哲学」の可能性
1 「心的存在者」としてのモナド
2 ロックの人格の同一性論への批判
3 プラグマティックな合理性
4 モナドロジーの「自然化」
第十五節 モナドロジックな「実在論」
1 二つの形而上学
2 「適合性」としての充足根拠
3 「完全性」としての実在性
4 連続主義と構成主義
註
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著者
松田 毅(マツダ ツヨシ)
1956年、岡山県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。哲学博士(ドイツ連邦共和国オスナアブリュック大学)。九州芸術工科大学助教授を経て、現在、神戸大学大学院教授。専門は、西洋近現代哲学。
著書に、『ライプニッツの認識論』『哲学の歴史』第五巻(共著)『ライプニッツ読本』(共著)『部分と全体の哲学』(編著)『世界哲学史6』(共著)など、
訳書に、R・フィンスター+G・ファン・デン・ホイフェル『ライプニッツ』(共訳)クリスティン・シュレーダー=フレチェット『環境リスクと合理的意思決定』(監訳)『ライプニッツ著作集』第II期第3巻(共訳)など。
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