ルネサンスの世界
ルネサンスの世界
「ペトラルカと云えば人は直ちにヒューマニストでありルネサンス人であるとする。しかし、ブルクハルト以後十九世紀後半より二十世紀三十年代前半までかけて展開されたルネサンス概念論争によってルネサンス概念は非常に深められた。したがってペトラルカ研究にもかかる論争の結果が影響をもたずにはおかなかった。何となればペトラルカに関する歴史的研究の中心問題は彼に於いて如何にルネサンスの本質が現れているかという点にあるとすれば、かかる概念論争の問題は又ペトラルカ研究の問題でもあるわけである。しかるに一九三〇年代まで諸雑誌を賑わしていた概念論争もその後つまり新たな展開を示していないのでわれわれは一応この論争の結果を整理して今後のルネサンス研究への立場を定める時期に到達したのではないかという感を抱かせる。小論の目的はかかる論争の結果を考慮しつつペトラルカとルネサンスとの関係についての二三の問題について考究し、ペトラルカ研究への緒をあたえんとする点にある」(「序」より)
【目次】
論説
ペトラルカとルネサンスの問題
一 序
二 ペトラルカとルネサンス・ロマン主義
三 ルネサンスの概念 特にその二重性
四 ペトラルカに於ける再生(Rennovatio)の理念
中世イタリア・コムーネ研究の動向 オットカール及びプレスナーの所説について
一 序言
二 オットカールの所説
三 プレスナーの所説 Castello の性質
四 プレスナーの所説 十三世紀に於ける地方住民の都市移住の性質
五 結言
ブルクハルトの世界観
一 序言
二 浪漫的ドイツ的生
三 イタリアの発見 悲観主義の問題
四 倫理的生 理想と現実の分裂
五 異教的生 神の問題
六 ブルクハルト
ブルクハルトに於けるルネサンス概念
一 序
二 ブルクハルトに至るルネサンス概念 フランス的文化概念とドイツ的様式概念
三 ブルクハルトのルネサンス概念
一 その二重性
二 スタンダールとの関係
三 ミシュレとの関係
四 様式概念と文化概念の関係
四 結論
イタリア文化理解のために
人文主義
雑纂
シチリアについての感想
戦後のルネサンス研究 ファーガソンの著書を中心にして
あとがき 井上智勇
編輯後記 会田雄次 衣笠茂
塩見高年氏略歴・主要業績表
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著者
塩見 高年(しおみ たかとし)
1911-1953年。京都帝国大学文学部史学科卒業。大谷大学教授、甲南大学教授を歴任。
著書に、『イタリア統一』などがある。
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