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ルネサンス精神への旅

ルネサンス精神への旅

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本商品は「旧ISBN:9784423460634」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:2009/12/01

ルネサンス精神への旅は、ルネサンスとは何であり、如何にあったかという根本的な問から発する旅である。中世の神秘主義者で預言者ジョアッキーノ・ダ・フィオーレから始まり、近代の合理的思考を旨とする哲学者エルンスト・カッシーラーに至る旅。この間に流れた時間は七、八百年間。その間、西欧人の思考はどのように変遷したのか。ルネサンスはこれに如何に関わるのか。その社会的特徴は如何なるものであったのか。著者はこの時代に発達した科学的方法論や、日記、伝記などの文学作品を取り上げて、ヒューマニズム(人文主義)の諸相を明らかにして、ルネサンス精神の根幹に触れようとする。また著者は、実際に旅したイタリアの地を語る。それは周知のローマやフィレンツェだけでなく、オルヴィエートやリヴォルノでもあったりする。ローマでは、ペトラルカが桂冠詩人となり、革命家コーラ・ディ・リエンツォが蜂起し、ゲーテがジャニコロの丘に憩う。フィレンツェではフィチーノがプラトンを思い、ピーコが諸々の知を夢見る。彼らはロレンツォ・デ・メディチの庇護を受けた哲学者である。内陸都市オルヴィエートでは、シニョレッリの壮大なフレスコ画中のルネサンス的人体表現に中世思想を見出し、海港都市リヴォルノでは、天正遣欧使節やカルレッティの時代に立ち返って、近世日本を思い、近代西欧の行く末を考える。これは紛れもなく身体とともに精神の旅である。

【目次より】

緒言
Iキリスト教と世界
第一章 ジョアッキーノ・ダ・フィオーレとコーラ・ディ・リエンツォ
 1  ルネサンスの起源
 2 メタノイア(パエニテンティア、悔悛)
 3 中世の黙示録的終末観
第二章 ルーカ・シニョレッリの反キリスト
 1  オルヴィエートの町とシニョレッリの絵
 2 ジョナサン・リースの研究
 3 終末思想における反キリストの登場 おわりに
第三章 ラウデージのコンパニーア 音楽史上の位置と意義を巡るノート
 1  映画〈眺めのいい部屋〉とコンパニーア
 2 ラウデージの音楽活動とフィレンツェの歴史
 3 社会の中の「プラトン・アカデミー」とカメラータ
II 社会とヒューマニズム文化の諸相
第四章 ペトラルカとフィチーノにおける聖アウグスティヌス キリスト教・異教間の要としての教父
 1 聖ヒエロニュムス対キケロ 
 2 ペトラルカと聖アウグスティヌス
 3 フィチーノと聖アウグスティヌス 
 おわりに
第五章 フマニタス研究とアグリコラ ルネサンス・ヒューマニズムの成立と発展
 1  日本とフランス・「ユマニスム」
 2 イタリアにおけるフマニタス研究 特にブルーニの場合
 3 ドイツ・「フマニスムス」とイタリア
 4 アグリコラの略伝と『ペトラルカ伝』
第六章 パラゴーネと科学的方法論
 はじめに
 1  優劣論争
 2 科学の優位
 3 ガリレオとアリストテレス
第七章 日記・伝記・系譜
 一 イタリア・ルネサンス期の日記 西欧の古記録が語るもの
 はじめに
 1  近代西欧の日記の起源
 2 秘密帳簿・覚書としての日記
 3 商人一族の日記
 4 歴史意識・自己意識の伝統
 二 東西の日記 その共通性と独自性
 1  日記の動機と型
 2 日記と新聞・手紙との類似性
 3 西欧の日記観 個人主義の成立の相の下に
 三 西欧における伝記文学の伝統 ルネサンスの役割と貢献
 はじめに
 1  伝記と歴史叙述
 2 古典翻訳と人物描写
 四 西欧社会における名字と系譜
 はじめに
 1  本名と変名
 2 一族の印
 3 市民一族の高貴化
III ルネサンスと近代
第八章 近世ヨーロッパとメディチ家
 はじめに
 1  メディチ家教皇時代
 2 二人のフランス王妃と国際関係
 3 アレッサンドロ、イッポーリトとロレンザッチョ
 4 カトリック改革時代の教皇とコジモ一世
 おわりに
第九章 ジョヴァンニ・ピーコの『演説』考 「英雄の恋」とその意義
 はじめに
 1  ピーコとマルゲリータ
 2 苦悩するピーコ
 3 『演説』の解釈
 4 『演説』とその他のピーコ作品
 おわりに
第十章 ゲーテとイタリア・ルネサンス 特に不死性を巡って
 1  近代三百年
 2 主観と客観
 3 ゲーテとフィチーノにおける不死性思想
 4 フィチーノの読書家ゲーテ
第十一章 カッシーラーの思想とルネサンス観
 1  多面的思想史家
 2 研究の方法と態度
 3 プラトン主義と近代
 4 カッシーラーとヴァールブルク学派
 おわりに
あとがき

参考文献一覧


著者
根占 献一(ネジメ ケンイチ)
1949年生まれ。西洋史家。学習院女子大学名誉教授。専門はルネサンス文化史、思想史。
早稲田大学第一文学部(西洋史)、同大学院文学研究科修士課程、同大学院同研究科博士課程満期退学。文学博士。
著書に、『イタリア・ルネサンスの霊魂論』(編著・編訳) 『ロレンツォ・デ・メディチ』(マルコ・ポーロ賞)『東西ルネサンスの邂逅』『フィレンツェ共和国のヒューマニスト イタリア・ルネサンス研究 [正]』『共和国のプラトン的世界 イタリア・ルネサンス研究 続』『ルネサンス精神への旅』『イタリア・ルネサンスとアジア日本』『ルネサンス文化人の世界』など、
訳書に、クリステラー『イタリア・ルネサンスの哲学者』(共訳)『原典イタリア・ルネサンス人文主義』(共訳)『原典ルネサンス自然学』(共訳)ハービソン『キリスト教的学識者』(共訳)などがある。

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