三国志演義 (三)
三国志演義 (三)
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
西暦220年、後漢王朝の崩壊により乱世が到来。やがて、その中から魏、蜀、呉の三国が生まれ、三つ巴の戦いへと発展していった「三国時代」は、陳寿による『三国志』(3世紀末)や『新全相三国志平話』(元の至治年間に刊行とされる)、芝居などの民間芸能の世界で、連綿と語られ続けてきました。
そして、「三国時代」から約1000年後。いくつもの「三国志」の物語や資料を整理・編纂し、フィクショナルな物語世界を構築して、現在知られる「三国志」物語のイメージを確立したとされるのが、羅貫中の白話(口語)長篇小説『三国志演義』です。
本書は、中国文学に精通した訳者が、その血沸き肉躍る、波乱万丈の物語を、背景となっている時代や思想にも目配りしたうえで、生き生きとした文体で翻訳しました。
第三巻では、劉備がついに蜀の支配者となります。黄巾の乱から30余年、54歳。劉備と曹操の白熱した漢中争奪戦、死に至る関羽の壮絶な戦い、曹操の逝去。義弟を殺された劉備は弔い合戦へと赴くが返り討ちに遭い、世を去る。跡を継ぐ諸葛亮は南方異民族を「七擒七縱(七たび生け捕りにし七たび釈放すること)」で心服させます。魔敵・孟獲に魔王・諸葛亮は、超自然的な戦いを挑みます。第一世代の英雄達が消え、諸葛亮が主役となります。
全4巻
*本書は、訳し下ろしです。
【目次】
登場人物紹介(第三巻)
第六十一回 趙雲 江を截りて阿斗を奪い 孫権 書を遺って老瞞を退く
第六十二回 ふ関を取りて 楊・高 首を授け らく城を攻めて 黄・魏 功を争う
第六十三回 諸葛亮 ぼう統を痛哭し 張翼徳 義もて厳顔を釈す
第六十四回 孔明 計を定めて張任を捉え 楊阜 兵を借りて馬超を破る
第六十五回 馬超 大いに葭萌関に戦い 劉備 自ら益州の牧を領す
第六十六回 関雲長 単刀にて会に赴き 伏皇后 国の為に生を捐つ
第六十七回 曹操 漢中の地を平定し 張遼 威を逍遥津に震う
第六十八回 甘寧 百騎もて魏の営を劫かし 左慈 盃を擲ちて 曹操に戯る
第六十九回 周易を卜いて 管輅 機を知り 漢賊を討って 五臣 節に死す
第七十回 猛張飛 智もて瓦口隘を取り 老黄忠 計もて天蕩山を奪う
第七十一回 対山を占めて 黄忠 逸もて労を待ち 漢水に拠りて 趙雲 寡なきもて衆きに勝つ
第七十二回 諸葛亮 智もて漢中を取り 曹阿瞞 兵を斜谷に退く
第七十三回 玄徳 位を漢中王に進め 雲長 攻めて襄陽郡を抜く
第七十四回 ぼう令明 ひつぎを擡いで死戦を決し 関雲長 水を放って七軍をおぼれしむ
第七十五回 関雲長 骨を刮りて毒を療し 呂子明 白衣もて江を渡る
第七十六回 徐公明 大いにべん水に戦い 関雲長 敗れて麦城に走る
第七十七回 玉泉山に 関公 聖を顕し 洛陽城に 曹操 神に感ず
第七十八回 風疾を治さんとして 神医 身死し 遺命を伝えて 奸雄 数終わる
第七十九回 兄 弟に逼りて 曹植 詩を賦し 姪 叔を陥れて 劉封 法に伏す
第八十回 曹丕 帝を廃して 炎劉を簒い 漢王 位を正して 大統を続ぐ
第八十一回 兄の讎に急りて 張飛 害に遇い 弟の恨みを雪がんとして 先主 兵を興す
第八十二回 孫権 魏に降りて九錫を受け 先主 呉に征して六軍を賞す
第八十三回 おう亭に戦いて 先主 讎人を得 江口を守りて 書生 大将を拝す
第八十四回 陸遜 営 七百里を焼き 孔明 巧みに八陣図を布く
第八十五回 劉先主 遺詔して 孤児を託し 諸葛亮 安居して 五路を平らぐ
他
『三国志演義』年表三
第三巻の読みどころ
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訳者
井波律子(いなみ・りつこ)
1944年富山県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター名誉教授。専門は中国文学。2007年『トリックスター群像—中国古典小説の世界』で第10回桑原武夫学芸賞受賞。その他の主な著書に『酒池肉林』、『中国のグロテスク・リアリズム』、『中国侠客列伝』『中国人物伝 I〜IV』『論語入門』、『中国幻想ものがたり』など、訳書に『水滸伝(一)〜(五)』『完訳 論語』などがある。