人間・社会・歴史(フォルミカ選書)
人間・社会・歴史(フォルミカ選書)
アメリカの自由主義神学者ニーバー(1892~1971)は、「正義を取り扱うことのできる人間の能力が民主主義を可能にする。しかし、不正義に陥りがちな人間の傾向が民主主義を必要とする」と主張した。ユートピア主義を批判し、リアリズムに基づき政治や社会問題にも積極的に発言を繰り返した。その影響力は大きく、キング牧師や歴代の大統領も重要性を認めている。
ニーバーの生涯と思想を紹介する格好の入門書。
【目次】
一 ニーバーの人と思想
道徳的人間と不道徳的社会 問題の提起
右への革命と左への革命 ニーバーという人
二 近代人間観の課題
二つの人間観の相克 ルネサンスとリフォメーション
二つの世界とキリスト教 デモクラシーとマルキシズムの人間観
三 近代歴史観の問題
革命に対する「イエス」と「ノー」
時の徴の見分け
四 キリスト教と今日の世界
光の子と闇の子
絶対平和主義と現実主義
アメリカ史のアイロニー
五 ニーバーに影響を与えた人々
ニーバー夫人
パウル・ティリッヒの歴史観
著作文献
あとがき
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著者
武田 清子(たけだ きよこ)
1917〜2018年。思想史学者。国際基督教大学名誉教授。神戸女学院大学部英文科、オリヴェット大学卒業後、コロンビア大学に学び、ユニオン神学大学院修了。
著書に、『歴史をつくる学生たち』『人間・社会・歴史 ニーバーの人と思想』『日本の教育とキリスト教』『人間観の相剋 近代日本の思想とキリスト教』『天皇制思想と教育』『土着と背教 伝統的エトスとプロテスタント』『背教者の系譜 日本人とキリスト教』『正統と異端の〈あいだ〉 日本思想史研究試論』『天皇観の相剋 1945年前後』『わたしたちと世界 : 人を知り国を知る』『婦人解放の道標 日本思想史にみるその系譜』『日本リベラリズムの稜線』『峻烈なる洞察と寛容 内村鑑三をめぐって』『戦後デモクラシーの源流』『私の敬愛する人びと : 考え方と生き方』『未来をきり拓く大学 国際基督教大学五十年の理念と軌跡』『植村正久 : その思想史的考察』『湯浅八郎と二十世紀』『出逢い : 人、国、その思想』などがある。
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