利休聞き書き 「南方録 覚書」 全訳注
利休聞き書き 「南方録 覚書」 全訳注
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
千利休が確立した茶法、茶禅一味をめざす草庵茶の精神を伝える『南方録』は、高弟南坊宗啓が、利休居士からの聞き書きをまとめたものとされる。経済の発展とともに茶道が広がりを見せた元禄期、筑前福岡藩黒田家の家老、立花実山によって見出され、その自筆本が伝世する。「覚書」はその巻一で、利休の茶法の根本を述べる。その精神性と美意識を端的に伝える。
千利休が確立した茶法、茶禅一味をめざす草庵茶の精神を伝える『南方録』は、利休の高弟南坊宗啓が、利休居士からの聞き書きをまとめたものとされる。経済の発展とともに茶道が広がりを見せた元禄期、筑前福岡藩黒田家の家老、立花実山によって見出され、その自筆本が伝世する。本書はその巻一で、利休の茶法の根本が書かれた、「覚書」の全訳注。その精神性と美意識を端的に伝える、平易な現代語訳とわかりやすい解説。実山
自筆書写本を底本とする原文は、総ルビ付きですらすら読める。
*本書の原本『すらすら読める南方録』は、2003年に小社より刊行されました。
【目次】
一 宗易ある時、集雲庵にて茶湯物語ありしに
二 宗易へ茶に参れば、必ず手水鉢の水を
三 宗易の物がたりに、珠光の弟子、宗陳・宗悟と
四 客・亭主、互の心もち、いかやうに得心して
五 露地に水うつ事、大凡に心得べからず
六 露地の出入は、客も亭主もげたをはくこと
七 小座敷の花は、かならず一色を一枝か二枝
八 花生にいけぬ花、狂歌に、花入に入ざる花は
九 夜会に花を嫌ふこと、古来の事なりしを
一〇 或人、炉と風炉、夏・冬茶湯の心持、極意を
一一 暁の火あいとて大事にす。これ三炭の大秘事
一二 惣じて朝・昼・夜ともに、茶の水は暁汲たるを
一三 易云、暁会、夜会、腰掛に行燈を置くべし
一四 易云、雪の会は何とぞ足あと多くならぬやう
一五 雪の夜会には、露地の燈籠は凡とぼすべからず
一六 ー深三畳と、長四畳、根元を分別すべし
一七 小座敷の道具は、よろづ事たらぬがよし
一八 名物のかけ物所持の輩は、床の心得あり
一九 掛物ほど第一の道具はなし
二〇 小座敷の料理は、汁一つ、さい二か・三つか
二一 飯台はつくゑのごとくして
二二 葉茶壺、小座敷にもかざることあり
二三 捨壺といふ事あり。小嶋屋道察に真壺を
二四 風炉にて炭所望して見る事なし
二五 つるべはつくばひて下にをき、その所を
二六 真の手桶は手を横に置、つるべは手を竪にをけ
二七 不時の会には、いかにも秘蔵の道具など
二八 小座敷の花入は、竹の筒、籠・ふくべなどよし
二九 めんつのこぼし、とぢ目を前にせよ
三〇 せい高き茶入は袋を下へ、ひきゝ茶入は
三一 野がけ・狩場などにて茶会を催すことあり
三二 野がけは就中、その土地のいさざよき所にて
三三 紹鴎わび茶の湯の心は、新古今集の中
三四 右覚書、心得相違も候はゞ
立花実山の獄中日記『梵字艸』『南方録』の出現
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訳者
筒井 紘一(つつい・ひろいち)
1940年,福岡県生まれ。早稲田大学文学部東洋哲学科卒。同大学院文学研究科修士課程修了。文学博士。今日庵文庫長。茶道資料館副館長。京都府立大学客員教授。著書に『平成茶道記』『茶書の研究─数寄風流の成立と展開』(以上,淡交社),『利休の茶会』(角川選書)など。