夏目漱石
夏目漱石
本商品は「旧ISBN:9784423995044」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:1966/08/10
日本近代文学の巨匠・夏目漱石を、文芸評論家にして、哲学者・思想家の著者唐木順三が、その文学の内奥に迫る渾身の漱石論。特に未完の『明暗』に「則天去私」の思想を探る。同時代の作家、長塚節、鴎外、子規などと比較し、漱石の独自性と時代性を浮き彫りにする。
【目次】
一
漱石概観
まへがき
一 逃避と反抗の時代
二 反省の時代或ひは自己苦悩の時代
三 人生観照の時代
附録 漱石に於ける現実
二
『明暗』論
まへがき
一 『明暗』の成立まで
二 『明暗』の稜端
三 『明暗』の運び
四 余録
三
漱石における「狂」の問題
四
長塚節と漱石
鴎外と漱石
子規と漱石
ケーベルと漱石
五
作品解説
あとがき
■
著者
唐木 順三(カラキ ジュンゾウ)
1904〜1980年。元明治大学教授。文芸評論家、哲学者、思想家。『中世の文学』で読売文学賞・文芸評論賞を受賞。日本芸術院賞受賞。
旧制松本高等学校(現:信州大学)文科甲類卒業後、京都帝国大学文学部哲学科卒業。
研究分野は広いが、特に、中世日本仏教研究。1940年に有志で筑摩書房を設立し、中村光夫らと共に顧問となる。
著書に、『現代日本文学序説』『近代日本文学の展開』『鴎外の精神』『三木清』『作家論』『森鴎外』『現代史への試み』『近代日本文学』『近代日本文学史論』『詩とデカダンス』『中世の文学』『夏目漱石』『詩と哲学の間』『千利休』『無用者の系譜』『朴の木』『中世から近世へ』『無常』『日本の心』『応仁四話』『仏道修行の用心 懐弉 正法眼蔵随聞記』『飛花落葉』『古代史試論』『詩と死』『日本人の心の歴史』『良寛』『古きをたづねて』『日本人の心の歴史 補遺』『光陰』『あづまみちのく』『続 あづまみちのく』『歴史の言ひ残したこと』『古いこと 新しいこと』『「科学者の社会的責任」についての覚え書』『禅と自然』など多数。