天狗芸術論・猫の妙術 全訳注
天狗芸術論・猫の妙術 全訳注
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
江戸時代の談義本2作を、読み易い訳文とともに文庫化。いずれも、宮本武蔵『五輪書』とならぶ「剣術の秘伝書」であり「人生の書」でもある。
「天狗芸術論」は、剣術者が深山で天狗に出会い、老荘や孔子・孟子、仏教思想をまじえて「芸術」すなわち「武芸」と「心術」の核心に触れる。「猫の妙術」では、どんな猫も敵わなかった大鼠を、一見のろまな古猫が簡単にやっつけてしまう。若い猫たちと家主の剣術家は、古猫に教えを乞う。
滑稽さの中に教訓と風刺をまじえて江戸時代中期に流行した「談義本」の祖とされる佚斎樗山が著した2作を、読み易い訳文と注を併載して文庫化。いずれも、学術文庫のロングセラーである宮本武蔵『五輪書』とならぶ「剣術の秘伝書」として知られるが、剣術のみならず「人生の書」でもある。
「人は動物なり。善に動かざる時は必ず不善に動く。・・・種々に変転して止まざるものは人の心なり。」と始まる「天狗芸術論」は、奥義を極めたいと深山に入った剣術者が天狗たちに出会い、老荘思想や孔子・孟子、仏教思想をまじえて「芸術」すなわち「武芸」と「心術」の核心に触れる話。「学問剣術ともにただ己を知るをもって専務とす。」と言い残して、大天狗は去る。
「猫の妙術」では、勝軒という剣術家の屋敷に住みつき、どんな猫も歯が立たなかった大鼠を、一見のろまな古猫がなんなく銜えてやっつけてしまう。そこで、若く元気な猫たちと勝軒は、この古猫に教えを乞う。修業とは、また、教えを授かるとはどういうことなのか——古猫は語る。
神戸女学院大学名誉教授で武道家の内田樹氏が巻末解説を執筆。
【目次】
天狗芸術論
大意
巻之一
巻之二
巻之三
巻之四
猫の妙術
訳者あとがき
解説 内田樹
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著者
佚斎樗山(いっさい・ちょざん)
万治2年(1659)〜寛保元年(1741)。江戸時代の談義本作者。本名は丹羽十郎右衛門忠明。父定信の代より下総国関宿藩の久世家に仕える。享保12年刊の「田舎荘子」をはじめ、「河伯井蛙文談」、「再来田舎一休」など、いわゆる「樗山七部の書」を著す。
訳
石井邦夫(いしい・くにお)
1938年茨城県古河市生まれ。東京大学法学部卒。在学中は剣道部に所属。日本精工株式会社に勤務し、法務部長等を務めた。