存在と思惟 中世哲学論集
存在と思惟 中世哲学論集
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
本書の著者クラウス・リーゼンフーバー神父(1938-2022年)は、フランクフルトに生まれ、1958年にカトリックの修道会であるイエズス会に入会したのち、1967年に来日して長年にわたり上智大学で教鞭を執りました。ドイツ哲学に深い造詣をもつばかりか、西田幾多郎をはじめとする日本の哲学思想に通じていた著者は、西洋中世の哲学・神学について研究し、あるいは教育するとともに、一般向けの講座を精力的に行って多くの日本人に親われました。
しかし、専門論文が多いこともあってか、一般向けの著作はほとんどなかったと言わざるをえません。古代から現代に至る西洋哲学全体に対する該博な知識と透徹した理解に基づいた知恵の結晶を多くのかたに触れていただく機会になることを願って、ここに学術文庫オリジナルの精選論文集をお届けします。
以下の目次にあるように、本書で中心的に選ばれたのは、著者にとって重要な研究対象であるトマス・アクィナス(1225頃-74年)をめぐる論考です。「言語」、「存在」、「神」という哲学にとっても神学にとっても最重要の概念を正面から取り上げ、トマスの論を精緻にたどるだけでなく、独自の読みを加えることで、そこに潜む可能性を最大限に引き出す——「思惟」というものの醍醐味がふんだんにつまった論考群は、読むたびに発見に満ちた宝と言えるでしょう。
惜しまれながら2022年に逝去したリーゼンフーバー神父の偉大な遺産を本書を通して知っていただけることを心から願っています。
【目次】
中世思想における至福の概念
トマス・アクィナスにおける言葉
トマス・アクィナスにおける存在理解の展開
存在と思惟——存在理解の展開の可能性を探って
トマス・アクィナスにおける神認識の構造
神の全能と人間の自由——オッカム理解の試み
解 説(山本芳久)
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著者
著:クラウス・リーゼンフーバー(クラウス・リーゼンフーバー)
1938-2022年。フランクフルトに生まれ、ミュンヘン大学で哲学博士号を取得したあと来日、1969年から2009年まで上智大学で教鞭を執った。専門は、西洋中世哲学・神学、ドイツ観念論哲学。主な著書に、『中世における自由と超越』、『中世哲学の源流』(以上、創文社)、『西洋古代中世哲学史』、『中世思想史』(以上、平凡社ライブラリー)ほか多数。
編・解説:山本 芳久(やまもと・よしひさ)
1973年生まれ。東京大学教授。専門は、哲学・倫理学・キリスト教学。
主な著書に、『トマス・アクィナス 肯定の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)、『世界は善に満ちている』(新潮選書)、『キリスト教の核心をよむ』、『「愛」の思想史』(以上、NHK出版)ほか。
訳:村井 則夫(むらい・のりお)
訳:矢玉 俊彦(やだま・としひこ)