岩波茂雄と出版文化 近代日本の教養主義
岩波茂雄と出版文化 近代日本の教養主義
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
岩波茂雄が起こした岩波書店の興隆は、「学歴貴族」の栄光の時代に呼応しています。近代日本のアカデミズムは外来で急ごしらえであり、「前衛」という言葉で操作可能だと見抜いていたのが、岩波茂雄であり、日本のインテリの底の浅さを見抜いています。教育社会学者の竹内洋氏は、日本のアカデミズムのありようと出版産業の構造を、問い直し、解明します。一冊で二冊分の内容を持っています。
本書は、岩波書店の創業者である岩波茂雄をめぐる分析『岩波茂雄 成らざりしカルテと若干の付箋』(村上一郎著)と、解説(竹内洋)からからなります。信州人である岩波茂雄はいかにして出版社を起こし、出版界を牛耳っていくようになったのか? その過程で何を利用し、何を切り捨てたのか? 「岩波文化」と呼ばれる一大潮流を作り上げ、日本の教養主義を牽引したが、そこに問題はなかったのか?
おりしも、岩波書店の興隆は、近代日本の「学歴貴族」の栄光の時代に呼応しています。近代日本のアカデミズムは外来で急ごしらえのところがあり、しっかりと熟成されたものではなく、見せかけの「前衛」で乗っ取ることが可能だと見抜いていたのが、岩波茂雄であると村上一郎は述べます。そして、日本のインテリゲンチャのあり方の底の浅さを見抜いています。教育社会学者の竹内洋氏は、日本のアカデミズムのありようと教養主義の盛衰、そして出版業というものが、文化産業としてどのような構造を持つのかを、『岩波茂雄』を土台に据えて、問い直し、解明していきます。
*本書は、村上一郎著「岩波茂雄——ならざりしカルテと若干の付箋」(砂子屋書房、1979年刊)に、新たに竹内洋による「学術文庫版イントロ」と「解説」を追加したものです。
【目次】
はじめに 村上一郎と『岩波茂雄』(竹内洋)
「岩波茂雄 成らざりしカルテと若干の付箋」(村上一郎)
1 予断
2 信州人
3 岩波は何を避けたか?
4 岩波の”戦争と平和”
5 岩波と部下たち
6 岩波の光栄と悲惨
7 おわりに
参考文献の主たるもの
岩波茂雄年譜
解説 教養主義の時代(竹内洋)
■
著者
村上一郎(むらかみ・いちろう)
1920-1975。東京商科大学(現・一橋大学)卒業。文芸評論家、歌人、小説家。著書に、『北一輝論』『振りさけ見れば』、『村上一郎著作集』(全十巻)など多数ある。
解説
竹内洋(たけうち・よう)
1942年新潟県生まれ。京都大学教育学部卒業。保険会社勤務後、京都大学大学院教育学研究科進学、同大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。京都大学大学院教授等を歴任して、関西大学、京都大学名誉教授。主な著書に、『学歴貴族の栄光と挫折』『立志・苦学・出世』『パブリック・スクール』『日本のメリトクラシー』『大学という病』『教養主義の没落』などがある。
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