役人の生理学
役人の生理学
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
革命後、ジャーナリズムが勃興したフランスで一気にブレイクした「生理学」シリーズ。現代の「スーパー・エッセイ」のたぐいですが、バルザックの観察眼にはなかなか唸らせられます。
冒頭には定義があります。「役人とは生きるために俸給を必要とし、自分の職場を離れる自由を持たず、書類作り以外なんの能力もない人間」現在と同じではありませんか! 付録に、一九世紀の役人文学3篇を追加。
一九世紀の半ば頃、パリの書店は、「生理学」ものと呼ばれれる小冊子で溢れかえっていました。それは、扱う主題はさまざまで、風刺に満ちた出鱈目を書いたもので、青か黄の表紙がついており、読者を笑わせることを目的とした娯楽本でした。革命後、ジャーナリズムが勃興したフランスで一気にブレイクしました。現代の「スーパー・エッセイ」のたぐいでしょうか。しかしその観察眼にはなかなか唸らせられます。冒頭に定義があります。「役人とは生きるために俸給を必要とし、自分の職場を離れる自由を持たず、書類作り以外なんの能力もない人間」現在と同じではありませんか!
能なし役人とは「郊外に一戸建てを借りて住んでいる。中背、小太りで、ゆっくりと歩き、官吏であることを誇りにしている。どんな場合でも、体制に奉仕することに心血を注ぎ、政治音痴を自慢にしている。……『ジュルナル・デ・デバ紙』の意見をそのまま採用し、どんな権力であろうと、かならず権力の味方をする。」
この後、産業革命が起こり、金融資本が勢力を拡大してくると、民間企業で働く「サラリーマン」が誕生してくる。役人のようなライフスタイルが市民の間に広がっていくのである。
『役人の生理学』で戯画化された人々は、現代のサラリーマンの原型なのです。役人・会社員というのは、進歩していないことに驚かされます。大文豪による抱腹絶倒のエッセイです。付録に、一九世紀の役人文学3篇を追加。
*原本は、1987年に新評論、1997年に筑摩書房から刊行されました。
【目次】
学術文庫版まえがき
第一部 役人の生理学
第一章 定義
第二章 役人の有用性の証明
第三章 役人の哲学的・超越的歴史
第四章 区 別
第五章 役 所
第六章 いくつかの幻想的な存在について
第七章 試 補
第八章 召 喚
第九章 書記のさまざまな変種
第十章 要約
第十一章 課 長
第十二章 局 長
第十三章 給 仕
第十四章 退職者
「役人の生理学」の教訓
II 付録 役人文学アンソロジー
1 バルザック『役人』--概要と抜粋
2 フロベール『博物学の一講義』
3 モーパッサン『役人』
訳者解説
文庫版あとがき
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著者
オノレ・ド・バルザック
1799- 1850年。フランスの小説家。代表作に『ゴリオ爺さん』
ほか多数の「人間喜劇」と呼ばれる作品を書いた。
訳者・解説
鹿島茂(かしま・しげる)
1949神奈川県横浜市生れ。東京大学仏文科卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程終了。現在明治大学教授。19世紀フランスの社会・小説が専門。代表作に『馬車が買いたい!』(サントリー学芸賞)、『子供より古書が大事と思いたい』(講談社エッセイ賞)、『愛書狂』(ゲスナー賞)、『職業別パリ風俗』(読売文学賞評論・伝記賞)、『成功する読書日記』(毎日書評賞)などがある。
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