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改宗と亡命の社会史

改宗と亡命の社会史

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本商品は「旧ISBN:9784423460542」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:2004/01/01

近世スイスにおける改宗と亡命という現象、すなわちプロテスタントからカトリックに、またカトリックからプロテスタントに宗派変更を行ない亡命を試みた人々の洞察を通じて、近世ヨーロッパにおける個人の内面および行動の多様な側面を浮彫りにする。絶対主義、宗派化、国家による社会的規律化、共同体による「下」からの規律化といった概念によって画一的に捉えられてきたヨーロッパ近世史像に再考を迫る野心作。

近世社会は、古くは絶対主義の時代と呼ばれ、近年においては「宗派化」「社会的規律化」の時代と把握されている。この時代の教会は、国家権力と手を携えて臣民(信徒)の内面と日常生活を徹底的に「宗派化」し、また「規律」への服従を教え込んだというのである。一方、都市・農村の「共同体原理」を重視する歴史家は、市民・農民は受動的な臣民ではなく、共同体の維持と繁栄のために「宗派化」と「規律化」を下から担っていたと説く。いずれにしても近年の西欧近世史は「国家」と「共同体」を軸に展開されている。しかし実際には、諸宗派の混在を克服できない地域が随所にあり、こうした状態のなかでは「社会的規律化」も至難の業であった。近世人にとって宗派の境界は絶対的なものではなく、異宗派の土地に移り、改宗を行う無数の人々が存在したのである。本書は16世紀から18世紀初頭までのスイスとその周辺地域に焦点を当て、改宗と亡命という現象に注目しながら「個人」の覚醒と自立化の過程を浮き彫りにし、図式的に捉えられてきた西欧近世史像に再考を迫る。

【目次より】
貨幣換算表
序論 近世史研究の動向と問題の所在 諸宗派の歴史的役割をめぐって
 はじめに
 一 「社会的規律化」と「宗派化」の理論 
 二 家父長制強化論と女性抑圧論 
 三 「宗派化」「規律化」論への批判 その達成度をめぐって 
 四 「宗派化」「規律化」論への批判 その担い手をめぐって 
 五 家父長制強化論・女性抑圧論への批判 
 六 「個人」のゆくえ
 おわりに 本書の課題と方法
第一章 近世スイスの宗派情勢
 はじめに
 一 スイス盟約者団の内部構造 
 二 「宗派化」と「規律化」の諸相 
 三 日常現象としての改宗
 おわりに
第二章 聖職者の改宗と亡命
 はじめに
 一 真の宗教と偽りの宗教 
 二 奇妙な人材の交換 
 三 改宗聖職者の事件簿 
 四 再改宗
 おわりに
第三章 信徒の改宗と亡命
 はじめに
 一 新しい信仰と古い信仰 
 二 つくられた改宗者 
 三 諸邦の改宗者援助政策 
 四 したたかな個人 
 五 貧しい人々
 おわりに
第四章 女性および未成年者の改宗と亡命
 はじめに
 一 生存競争 
 二 転落者と放浪者 
 三 結婚と家族の秩序 
 四 遺産相続 
 五 未成年者
 おわりに
第五章 国家・共同体・個人
 はじめに
 一 門閥都市国家の政治と社会 ルツェルンの場合 
 二 村落共同体と改宗者 
 三 都市共同体と改宗者 
 四 国家による新しい「公益」政策 
 五 国家と共同体のあいだで 
 六 スイス農民戦争と平民世界の「脱宗派化」
 おわりに
結論
あとがき

参考文献一覧(略記号付)


著者
踊 共二(オドリ トモジ)
1960年生まれ。歴史学者。武蔵大学人文学部教授。早稲田大学第一文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程を満期退学。博士(文学)。専門は、スイス史、中近世ヨーロッパ史。
著書に、『改宗と亡命の社会史 近世スイスにおける国家・共同体・個人』『ヨーロッパ読本 スイス』(共編著)『図説スイスの歴史』『スイス史研究の新地平 都市・農村・国家』(共編著)『中近世ヨーロッパの宗教と政治 キリスト教世界の統一性と多元性』(共編著)などがある。

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