教師の歴史
教師の歴史
教師は「労働者」なのか、「天職」なのか。明治以降の教師の歴史を具体的にかつ俯瞰的に、また詳細に観察することで、教師のイメージと実際の変遷をあきらかにする力作。
「教師の問題が現代ほど活発に取り上げらた時代はかつてなかったし、また教師自身の団結が、現代ほど強くなされた時代もなかった。これらはいずれも時代的必然性のもとに起こってきた現象であるといわなければならない。このような時代に、教師は果たしていかなる教職者としての倫理を構成し、いかなる心構えをもって進んでいくべきであろうか。この問題を究明していく際に、一つの重要な手がかりを与えてくれるものは、何といってもその現代に至るまでの歴史であると考える。本書はこのような課題に答えて、教師の生きた生活変遷史を、しかもこれを回顧録や自叙伝、文学作品などおも能う限りほうふに取り入れて、その実態を把握したいと試みたものである」(「序」より)
【目次】
序
I 転換期の教師像 師匠より教員へ
II 士族的教師像 士魂と師魂
III 師範タイプの形成 森の師範学校令と教師像の確立
IV 士族階級より農民階層へ
V 女教員の登場 近代職業婦人としての女教員
VI 教員の職業人化
VII 経済と教員思想問題 抵抗の教員運動
VIII 政治的・軍事的権力下の教師
IX 戦後の教師
X 現代教職者の倫理と課題
XI 新しい日本の教師像
結語
附録I 経済界の変動と師範学校入学競争率ならびに教員過不足の変遷
II 師範生活の思い出
III 小学校教員に関する年表
參考文献
索引
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著者
唐沢 富太郎(からさわ とみたろう)
1911ー2004年。教育学者、東京教育大学名誉教授。東京文理科大学卒。東京教育大文学博士。専門は、日本教育史。
著書に、『親鸞の人間観・教育観』『親鸞・道元・日蓮』『人間形成の宗教的基礎としての愛の哲学』『ナトルプの社会教育学』『人間性・運命・宗教』『日本教育史』『中世初期仏教教育思想の研究 特に一乗思想とその伝統に於いて』『学生の歴史 学生生活の社会史的考察』『教師の歴史 教師の生活と倫理』『教科書の歴史 教科書と日本人の形成』『日本人の履歴書 三代の人間形成図』『新しい道徳教育の創造 豊かな人間性に即して』『日本の女子学生 三代女子学生の青春譜』『目で見る世界の教科書』『現代に生きる教育の叡智 人間の再発見』『教科書から見た世界の教育(全3巻)』『親鸞の世界 親鸞の宗教的人間像』『あすの日本人 期待される人間像』『世界教育風土記 見てきたヨーロッパ・アメリカの教育』『日本から見た世界の教育 教科書と人間像』『理想の人間像 各国の教科書にみる』『おかあさんの知恵 家庭教育への提言』国『親鸞』『日本人の叡知』『図説近代百年の教育』『日本人の履歴書 明治100年の人間形成』など
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