教育と倫理
教育と倫理
京都学派の哲学者による、教育における「倫理」のあり方をめぐる考察。戦前と戦後の教育をめぐる変化への興味深い解析がある。また、軍隊の考え方、道徳教育、保守と革新の違いなどを徹底的に論ずる。
【目次】
序
教育の前提となる人間観
教育勅語と教育基本法
道徳教育の本質とその前提
社会科と社会科的思考法
現代の政治・社会に関する思想 社会科的思考法育成のため
緒言
第一章 民主主義とその問題点
第二章 自由主義とその問題点
第三章 社会主義・共産主義とその問題点
第四章 中立主義とその問題点
民主政治と立憲的独裁
保守と革新 保守主義の哲学
歴史教育について
社会科教科書雑感
協同社会の理念
教育の政治的中立性
日教組の「教師の倫理綱領」批判
教師の新倫理綱領を提唱する
旧日本軍隊の軍人精神と精神教育
序論 軍人精神の固有性と歴史性
第一章 精神教育の方針
第二章 将校の精神教育の問題
第三章 軍事と政治 軍人精神の破綻
軍人倫理
序説
第一章 職業倫理
第二章 国民倫理
第三章 軍人倫理
附録
一 教育に関する勅語 二 教育基本法 三 教師の倫理綱領
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著者
高山 岩男(こうやま いわお)
1905〜1993年。哲学者。京都帝国大学文学部哲学科卒。京都学派の全盛期に学ぶ。文学博士。京都帝国大学文学部教授ののち、神奈川大学、日本大学などで教鞭をとり、秋田経済大学学長を歴任。
著書に、『西田哲學』『ヘーゲル』『續 西田哲學』『文化類型學研究』『世界史の哲學』『日本の課題と世界史』『所の論理』『哲学と哲学的実存』『マルクシズムの超克』『場所的論理と呼応の原理』『道徳の危機と新倫理』『宗教はなぜ必要か』『二つの世界に抗して 文明の破局と人類の対決』『現代の不安と宗教』『道徳とは何か 倫理学入門』『国際的中立の研究』『現代の政治・社会思想 社会科における取扱いに関連して』『哲学とは何か』『教育と倫理』『実存哲学』『政治家への書簡 正・続』『西田哲学とは何か』『京都哲学の回想 旧師旧友の追憶とわが思索の軌跡』『高山岩男著作集』(全6巻)『西田幾多郎研究資料集成 第1・2巻 高山岩男集』など多数ある。