日本仏教再入門
日本仏教再入門
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
昨今、仏教研究は進展を見せ、従来の常識は大きく書き換えられつつある。
「日本仏教」とは何かから説き起こし、古代から中世の仏教の思想と歴史の流れを、聖徳太子・空海・法然・親鸞・道元・日蓮などをキーに解き明かしていきます。
そして、明治維新以降、西洋の文明に触れて大きな変貌を遂げた日本仏教が、日本の近代社会の中で果たしてきた役割を改めて問い直します。廃仏毀釈に始まり、日清・日露戦争を経て、大正デモクラシー、日中戦争から第二次世界対戦を経験する中で、仏教は重要な位置を占めています。戦後復興、そして大震災などに対して、実践としての仏教があらためて登場しつつある現状の意味を問うていきます。
また、日本仏教の深層にある思想的、歴史的な背景を読み解いていきます。葬式仏教にどのような意味があり、どのような思想を背景にしているのか。日本仏教のおおきな特色となっている「大乗仏教」の起源を探ります。また神と仏の関係を、中世の神仏習合に遡って、読み解き、仏教が日本の思想や哲学に与えた影響を検証していきます。
本書を読めば、日本仏教の思想と歴史の概観と肝要なポイントがすべてわかる、格好の入門書です。
*本書は、『日本仏教を捉え直す』(放送大学教育振興会)を底本に、大幅な加筆(第三章 1最澄の生涯と思想)と改稿をし、改題しました。
【目次】
はじめに 「日本仏教」という問題(末木文美士)
第一章 仏教の展開と日本 序説(末木文美士)
1 仏教の諸形態
2 東アジアの中の日本仏教
第二章 仏教伝来と聖徳太子 日本仏教の思想1(頼住光子)
1 仏教を考える視点
2 仏教の伝来と受容
3 聖徳太子と「十七条憲法」
第三章 最澄と空海 日本仏教の思想2(頼住光子)
1 最澄の生涯と思想
2 空海の生涯
3 空海の思想
第四章 法然・親鸞と浄土信仰 日本仏教の思想3(頼住光子)
1 鎌倉時代に新たに起こった仏教の特徴
2 法然の生涯と思想
3 親鸞の生涯と思想
第五章 道元と禅思想 日本仏教の思想4(頼住光子)
1 道元の生涯
2 『正法眼蔵』に見られる道元の思想
第六章 日蓮と法華信仰 日本仏教の思想5(頼住光子)
1 国家と仏教
2 日蓮の生涯と思想
第七章 廃仏毀釈からの出発 近代の仏教1(大谷栄一)
1 「近代仏教」とは何か?
2 廃仏毀釈と教導職
3 近代日本の祭政教関係の制度化
第八章 近代仏教の形成 近代の仏教2(大谷栄一)
1 仏教の近代化を考える
2 明治二〇年代の仏教改革をめぐる構造
3 日清・日露戦間期における近代仏教の形成
第九章 グローバル化する仏教 近代の仏教3(大谷栄一)
1 グローバル化の始まり
2 明治二〇年代初頭の「欧米仏教」ブーム
3 シカゴ万国宗教会議への参加
第十章 社会活動する仏教 近代の仏教4(大谷栄一)
1 社会活動の二つのパターン
2 大正期における仏教社会事業と参政権運動
3 昭和前期から戦後、現代へ
第十一章 日本仏教と戒律 日本仏教の深層1(末木文美士)
1 僧侶の妻帯
2 大乗戒の採用
3 戒の変貌
第十二章 葬式仏教 日本仏教の深層2(末木文美士)
1 近代の葬式仏教
2 仏教の死生観と廻向の原理
3 往生と成仏
第十三章 神仏の関係 日本仏教の深層3(末木文美士)
1 近代の神仏関係
2 神仏習合の形成
3 神道の形成と仏教
第十四章 見えざる世界 日本仏教の深層4(末木文美士)
1 顕と冥の世界
2 諸思想の交流と仏教
3 近代の中の死者と仏教
第十五章 日本仏教の可能性 まとめ(頼住光子・大谷栄一・末木文美士)
1 仏教思想の観点から(頼住光子)
2 近代仏教の観点から(大谷栄一)
3 仏教土着の観点から(末木文美士)
学術文庫版あとがき(末木文美士)
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著者
末木 文美士(すえき・ふみひこ)
1949年生まれ。東京大学名誉教授・国際日本文化研究センター名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。文学博士。専攻は、仏教学、日本思想史。主な著書に、『日本宗教史』『日本の思想をよむ』『日本思想史の射程』などがある。
頼住 光子(よりずみ・みつこ)
1961年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。東京大学大学院人文科学研究科倫理学専攻博士課程修了。専攻は、倫理学、日本倫理思想史。主な著書に、『日本の仏教思想』『道元の思想』『『正法眼蔵』入門』『さとりと日本人』などがある。
大谷 栄一(おおたに・えいいち)
1968年生まれ。佛教大学社会学部教授。東洋大学大学院社会学研究科社会学専攻博士後期課程修了。社会学博士。専攻は、宗教社会学、近代仏教研究。主な著書に、『日蓮主義とはなんだったのか』『近代仏教というメディア』『近代仏教スタディーズ』(共編著)などがある。