日本語と事務革命
日本語と事務革命
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
「問題は、日本語をどのようにして機械にのせるかであった。今日、OAすなわちオフィス・オートメーションがすすみ、各種の事務機械が大量に導入されている。日本語の機械化についても、ワープロの出現によって事態はおおきくかわった。しかし、じっさいは問題のかなりの部分は先おくりされているだけで、本質的にはなんにも解決されていないのだ。」(本文より)
梅棹忠夫は、1960年代初期から最晩年まで、半世紀ちかくにわたって「知的生産の技術と情報処理、そして日本語」について考えつづけていました。また、ローマ字論者、カナモジ論者としても知られました。彼は言います。「問題は、日本語をどのようにして機械にのせるかであった。今日、OAすなわちオフィス・オートメーションがすすみ、各種の事務機械が大量に導入されている。日本語の機械化についても、ワープロの出現によって事態はおおきくかわった。しかし、じっさいは問題のかなりの部分は先おくりされているだけで、本質的にはなんにも解決されていないのだ。実務のながれと日本語の関係などについては、ほとんどかんがえてみたこともないというひともおおい。技術方面の人たちも、言語のことはあまり気にしていないように見うけられる。しかし、これは大問題なのである」音読みと訓読みの混在、正書法の不在……。かつては「悪魔の言語」とまで呼ばれてきた日本語のこうした諸問題もいまや変換キーさえ押せばすべては解決するように思えます。また、漢字仮名交じり文という世界にも類を見ない表記法の効用を説く人も多い。しかし、梅棹の説くとおり、すべては先送りにされただけです。ひょっとしたら20世紀末の技術の発展は、21世紀において日本語をよりローカルな言語へと押しこめてしまったかもしれないのです。日本の人口がますます減り、経済力も萎んでいったならば、そして日本語を学ぼうとする人びとの数が増えなかったらどうなってしまうのでしょうか。いまなお梅棹の警告が生きているゆえんです。本書は数ある梅棹の「日本語と情報」に関する著作の中心に位置するものです。多くの読者の考えるきっかけになることを期待して文庫化いたします。
*本書は『日本語と文明』(「梅棹忠夫著作集」第18巻、中央公論社、1992年)に収録された「日本語と事務革命」を底本としました。単行本『日本語と事務革命』は1988年6月にくもん出版より刊行されています。
【目次】
まえがき
事務革命
文書革命の現実と将来
カナモジ・タイプライターは実用になるか
カナかなタイプライター始末記
ワード・プロセッサーは知的生産のあたらしい道具になりうるか
ワープロのもたらしたもの──事務革命はおわったか
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著者
梅棹忠夫(うめさお・ただお)
1920年,京都に生まれる。京都帝国大学理学部卒業。理学博士。1955年京大カラコラム・ヒンズークシ学術探検隊に参加。京都大学教授。国立民族学博物館の設立に尽力し、初代館長となる。1994年文化勲章受章。2010年,90歳で死去。『文明の生態史観』『知的生産の技術』『日本探検』『情報の文明学』など著書多数。主な著作は「梅棹忠夫著作集」(全22巻 別巻1 中央公論社)に収められている。
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