明代二大茶書 張源『茶録』・許次ショ『茶疏』 全訳注
明代二大茶書 張源『茶録』・許次ショ『茶疏』 全訳注
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
唐代に、陸羽によって著された世界最古の茶書『茶経』が、中国茶書の古典として知られています。
本書は『茶経』に次ぐ重要茶書二書の全訳注版です。
明代の偉大なる茶人(茶の愛好者)によって書かれた貴重な書です。
日本の煎茶道や最近盛んになりつつある中国茶の源流ともいえるのが、明代に行われていた「喫茶」です。
明代には、茶の文化が隆盛をしており、数多の茶書が著されましたが、
それ以前の茶書の剽窃や焼き直しがほとんどでした。
そういった中にあって、本書で取り上げる『茶疏』と『茶録』は、独自の探究によって書かれた貴重な茶書です。
よい産地、製茶法、貯蔵法、水の選び方、茶葉の投げ入れ、茶器の選択、飲み方、客人の迎え方、などなどを具体的に描きます。
茶を、おいしく、楽しく、清らかに飲むやり方を追究します。
中国の茶道は、精神性を最重視する日本の茶道とは少々趣を意にして、実用的な内容が充実しているのは文化の違いなのでしょうか。
中国のみならず、日本にも伝わり、江戸時代には上田秋成『清風瑣言』をはじめ、多くの書物にも引用され、おおきな影響を与えています。
全訳注として、
【訓読】【現代語訳】【原文】【注釈】
を加えました。
喫茶愛好家必携の一冊です。
本書は、訳し下ろしです。
【目次】
まえがき
張源『茶録』
張源『茶録』について
はじめに
日本伝存の張源『茶録』について
「中郎先生茶譜」と題された張源『茶録』
張源『茶録』の後世への影響
張源『茶録(張伯淵茶録)』
凡例
茶録引(序文)
採茶(茶を採る)
造茶(茶を造る)
辨茶(茶の良し悪しを判断する)
蔵茶(茶を蔵める)
火候(火加減)
湯辨(湯の沸き加減を見分ける)
湯有老嫩(湯には煮え過ぎと沸かしたてがある)
泡法(淹れ方)
投茶(茶を投ずる)
飲茶(茶を飲む)
香(香り)
色(色)
味(味)
点染失真(添加物を加えると真味を失う)
茶変不可用(変質した茶は用いてはならない)
品泉(泉を品評する)
井水不宜茶(井戸水は茶に適さない)
貯水(水を貯える)
茶具(茶の道具)
茶盞(茶椀)
拭盞布(茶碗を拭く布)
分茶盒(茶入れに分ける)
茶道(茶の道)
許次しょ(糸+予)『茶疏』
許次しょ(糸+予)『茶疏』について
許次しょ(糸+予)伝
凡例
題許然明茶疏序(許然明の茶疏に題する序) 姚紹憲
茶疏小引 許世奇
許然明 茶疏
産茶(茶の産地)
今古製法(古今の製茶方法)
採摘(茶摘み)
炒茶(茶を炒る)
かい中製法(かい茶の製法)
収蔵(貯蔵)
置頓(置き場所)
取用(取り出して用いる)
包せき(紙で包むと茶は傷む)
日用頓置(日頃の置き場所)
択水(水を択ぶ)
貯水(水を貯える)
〓水(甕から水を汲む)
煮水器(湯を沸かす器)
火候(火加減)
烹点(淹れ方)
秤量(水と茶の量)
湯候(湯加減)
甌注(茶甌〔茶碗〕と茶注〔急須〕)
とう滌(茶器を洗う)
飲〓(飲み方)
論客(客との対応について)
茶所(茶寮)
洗茶(茶を洗う)
童子(ボーイ)
飲時(飲みどき)
宜輟(茶を止めるとき)
不宜用(使ってはいけないもの)
不宜近(近づいてはいけないもの)
良友(よき友)
出遊(野山で遊ぶ)
権宜(臨時の対応)
虎林水(杭州の水)
宜節(節度をもって)
辯訛(誤りを正す)
攷本(茶の本性を考える)
(許次しょによる後書き)
■
著者
張 源(チョウ ゲン)
字は、伯淵、号は樵海山人。洞庭山に隠棲した文人と思われる。
訳
岩間 眞知子(いわま・まちこ)
1952年生まれ。早稲田大学文学研究科(美術史)修士課程修了。東京国立博物館特別研究員、人間文化研究機構研究員、日本医史代議員などを経て、現在、静岡県ふじのくに茶の都ミュージアム客員研究員。
著書に、『茶の医薬史 中国と日本』『栄西と「喫茶養生記」』『喫茶の歴史 茶薬同源をさぐる』などがある。