知性改善論
知性改善論
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
本書は、主著『エチカ』で知られるバールーフ・デ・スピノザ(1632-77年)がその執筆活動の初期に残した代表作の一つです。
従来『神、人間および人間の幸福にかんする短論文』が最も早い著作と考えられてきました。しかし、近年の研究では本書『知性改善論』こそ、1656年後半から61年前半に書かれた最初期の論考である、という説が有力になりつつあります。アムステルダムにユダヤ人として生まれ、ユダヤの教育を受けたものの、1656年には破門されるに至ったスピノザが、デカルトやベーコンの哲学を会得した上で、「神」について、無限なる属性としての思考と延長について独自の見解を紡ぎ、語り始めた、画期となる著作です。
精神と全自然との合一の認識、永遠無限なるものへの愛、揺るぎない幸福の追求など、本書には『エチカ』のモチーフをはっきり見て取ることができます。おそらくは時間のなさゆえに本書は未完のまま放置されましたが、しかしその哲学は『エチカ』に引き継がれ、さらなる発展と深化を遂げていくことになります。その意味で、本書はスピノザが「哲学者」になる過程を記録した生々しいドキュメントであるとともに、著者自身による最良の『エチカ』入門でもあると言えるでしょう。
『知性改善論』については、長らく畠中尚志訳(1931年、改訳1968年)が読み継がれてきました。本書は、気鋭の研究者が最新の研究成果を取り込みつつ、充実した訳注とともに「今日の日本語」でスピノザを読めるようにと全力で完成させた待望の新訳です。
【目次】
読者に告ぐ
〔導 入〕
〔方法の規定〕
〔方法の第一部〕
〔方法の第二部〕
訳 注
文献一覧
訳者解説
■著者
バールーフ・デ・スピノザ(バールーフ・デ・スピノザ)
1632-77年。ポルトガル系ユダヤ人として生まれたオランダの哲学者。代表作は、本書のほか、『神学政治論』、『エチカ』ほか。
訳:秋保 亘(あきほ・わたる)
1985年生まれ。玉川大学講師。専門は、西洋近世哲学・現代フランス哲学。主な著書に『スピノザ 力の存在論と生の哲学』。主な訳書に、ライプニッツ『形而上学叙説』(共訳)。