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芭蕉の言葉 『去来抄』〈先師評〉を読む

芭蕉の言葉 『去来抄』〈先師評〉を読む

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◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
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【内容紹介】
「俳聖」と称される芭蕉ですが、不思議なことに彼自身の俳諧観を示した論は存在しません。その「欠落」を補ってくれるのが弟子たちが書きとめておいてくれた「師のことば」ですが、なかでもっとも芭蕉の作句姿勢をヴィヴィッドに伝えてくれるのは、向井去来による『去来抄』です。

本書はそのうち芭蕉本人のことばを記した〈先師評〉を読み解き、芭蕉が句作に求めていたものはなにかを明らかにします。「俳聖」と称される芭蕉ですが、藤原定家の『毎月抄』、心敬の『ささめごと』、世阿弥の『風姿花伝』のような著作はひとつも残されていないのです。あるのは紀行文や書簡、序跋のたぐいや評語だけです。それも片言隻句にすぎません。けだし芭蕉は論の構築、展開について考えるより句作の実際の行為に魅力を感ずるタイプだったのだと思いますが、後世のわれわれにとってはなんとも心もとない話ではあります。

そうした「欠落」を補ってくれるのが支考、許六、其角、土芳らの弟子たちが書きとめておいてくれた「師のことば」ですが、なかでもっとも芭蕉の作句姿勢をヴィヴィッドに伝えてくれるのは、向井去来による『去来抄』です。

『去来抄』は〈先師評〉〈同門評〉〈故実〉〈修行〉の四つのセクションから構成されますが、本書はそのうち芭蕉本人のことばを記した〈先師評〉を読み解くものです。芭蕉が句作に求めていたものはなにかを問うことは、今日にあって俳句を実作する者にとってもきわめて有益な作業になるものと信じます。

*本書は1999年4月に邑書林から刊行された『芭蕉の言葉——去来抄新々講』のサブタイトルを改題したものです。なお、初出は「俳句四季」1995年4月号〜1996年9月号です。また、新たに付録として田辺文里著『去来抄解』<先師評>を収めました。

【目次より】
発想の機構/発句の条件/名勝俳句の詠み方・読み方/主宰者たる者の姿勢/肯定、評価された俗情/表現の「いやしさ」の排除/主宰の出身地への影響力/類句のこと/釈教句の詠み方/着眼点の模倣/内面世界の形象化/作者と作品/新奇な言葉への警告/一句の働き/作りものとしての俳句の面白さ/「さび」の美のバリエーション/主観句と客観句/鑑賞ということ/時と情/句の構造/〈手柄〉ということ/発句の余情/心余りて詞たらず/作品を理解するということ/俗談平話/俳意/ふれる・ふれぬの論/句のはしり・心のねばり/フィクション俳句/付合の要諦/歳旦三つ物の脇/「手帳」/素材の吟味/花の定座のこと/位のこと/甘味─恋の座/長高い発句/算用を合わせた発句


著者
復本一郎(ふくもと・いちろう)
1943年、愛媛県宇和島市に生まれる。横浜市で育つ。早稲田大学第一文学部文学科国文学専修卒業。同大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程単位取得満期退学。福岡教育大学、静岡女子大学、静岡大学を経て、神奈川大学経営学部教授。現在、神奈川大学名誉教授。文学博士。『芭蕉における「さび」の構造』で窪田空穂賞受賞。また、俳句分野の功績に対して第9回横浜文学賞を受賞。『俳句と川柳』(講談社学術文庫)、『俳句とエロス』(講談社現代新書)『芭蕉歳時記』(講談社選書メチエ)、『芭蕉俳句16のキーワード』(NHKブックス)、『江戸俳句夜話』(NHKライブラリー)など著書多数。

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