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若きヘーゲル

若きヘーゲル

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本商品は「旧ISBN:9784423170533」を底本にしたオンデマンド版商品です。
初刷出版年月:1986年

近年の文献学の成果に依り、発展史的な観点からイェーナ時代に展開された新しい思想をそれ以前の思索と連関づけて考察した書。

ドイツ観念論の巨人ヘーゲル(1770〜1831)は、啓蒙主義の時代にあって、テュービンゲン時代の草稿に「主観的宗教」について執筆している。大哲学者は、そこに自らの理想に具体的形式を与えたとした。悟性によって、思い込みによる迷信や、感性、ファンタジーによる誤謬を乗り越えられると考えていた。
若き日のヘーゲルの思想を読み解く。

【目次】 
まえがき
序論
第一部 主観性の復権
  ——テュービンゲンからベルンへ 一七八八—一七九六——
 第一章 頭脳と心胸
 一 主観的宗教
 二 理性宗教
 三 民族宗教
 第二章 カント実践哲学の受容と実定性批判
 一 理性の優位
 二 民族教育の課題とイエスの歴史
 三 宗教の実定性
 第三章 哲学への接近——シェリングのカント批判と出合い——
 一 若きシェリングと若きヘーデルにおける神の概念
 (a)  絶対的自我
 (b) 「秘教的」哲学
 二 シェリングの「自我」の哲学と最高善の問題
 (a)  実体としての絶対的自我
 (b) カント哲学の「成果」に対するヘーゲルの態度の変化
 三 神性あるいは「われわれのうちにおける永遠なるもの」
 (a) 「われわれのうちにおける永遠なるもの」の知的直観
 (b) 人間における「永遠なるもの」としての道徳性、および道徳性の顛倒
第二部 哲学と宗教——フランクフルト 一七九七—一八〇〇——
 第一章 宗教の新たな基礎づけ
 一 合一哲学との出合い
 二 有
 三 「美しき宗教」の構想とカント批判
 四 生
 第二章 シェリング自然哲学の成立と「生」の概念
 一 自然哲学の成立
 二 個体性と生
 三 世界魂と生
 第三章 反省と宗教(一八〇〇年の「体系」断片)
 一 反省によって固定化された生
 二 無限な生と宗教
 第四章 形而上学への道
第三部 反省と思弁——イェーナ 一八〇一——
 第一章 シェリング同一哲学の成立
 一 同一哲学への道
 二 絶対的同一性の思弁的認識
 第二章 ヘーデルによる思弁的哲学の構想およびシェリングとの論争
 一 哲学の必要
 二 反省と直観の綜合としての思弁
 三 同一性と非同一性の同一性
終章
文献
索引(人名・事項)


藤田 正勝(フジタ マサカツ)
1949年生まれ。1978年、京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。1982年、ボーフム大学(西ドイツ)大学院博士課程修了。博士(文学)。京都大学文学部教授を経て、現在、京都大学総合生存学館名誉教授。専門は、ドイツ哲学・日本哲学。著書に、『現代思想としての西田幾多郎』(講談社選書メチエ)、『西田幾多郎』(岩波新書)、『西田幾多郎の思索世界』(岩波書店)、『哲学のヒント』(岩波新書)など。編著に、『シェリング読本』(共編、法政大学出版局)など。注釈・翻訳に、九鬼周造『「いき」の構造』全注釈(講談社学術文庫)、『シェリング著作集』第4a巻(燈影舎)など。

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