〈英国紳士〉の生態学 ことばから暮らしまで
〈英国紳士〉の生態学 ことばから暮らしまで
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
自転車を「bike」と呼ぶか「cycle」と呼ぶか、眼鏡は「spectacles」かはたまた「glass」か。イギリスの階級意識はこんなところにも現れる。言葉遣い、アクセントにはじまり、家や食べ物、ファッション、休暇を過ごす場所……あらゆるものに微妙な、あるいは明白な階級をあらわす名札がついている。「世界中でもっとも階級にとりつかれた国」、作家ジョージ・オーウェルはイギリスをそう評している。
そんなイギリスで「紳士」たらんと、ほかの階級から嘲笑を浴びつつ精一杯背伸びしてきたのが、本書の主人公「ロウアー・ミドル・クラス」の人々である。「英国紳士」と聞いて真っ先に思い浮かべるシャーロック・ホームズや、日本で人気のジーヴズは、実は彼らと同じ階級に属するヒーローなのだ。 ワーキング・クラスとは断固区別されたい、しかしアッパー・クラスには決して届かない。上の階級の趣味や持ち物をまねると、たちまち流行して彼らが所属する階級の証となり、揶揄の対象になってしまう。隣人と差をつけるべく、アップライト・ピアノを買い、レースのカーテンを飾り、ささやかなことに一喜一憂する姿は、滑稽でありながらもいじましく、愛おしい。 彼らが揶揄されはじめたヴィクトリア朝から、かつての階級を超越した「スーパー・クラス」が登場する現代に至るまで、およそ100年間の悪戦苦闘を豊かなエピソードで描きだす。ほろ苦くもおかしいイギリス階級文化論。
*[原本:『階級にとりつかれた人びと』中公新書、1999年]
【目次】
はじめに
第一章 二つのミドル・クラス
第二章 ヴィクトリア朝——せせこましい道徳の時代
第三章 「リスペクタビリティ」という烙印
第四章 「郊外」のマイホーム
第五章 ロウアー・ミドル・クラス内の近親憎悪
第六章 貴族への憧れ、労働者への共感
第七章 階級を超えるメアリー・ポピンズ
第八章 クール・ブリタニア│「階級のない社会」?
おわりに
学術文庫版あとがき
主な参考文献
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著者
新井 潤美(あらい・めぐみ)
1961年生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学(比較文学比較文化専攻)。東京大学教授。専門はイギリス文学と比較文学。主な著書に『不機嫌なメアリー・ポピンズ』、『執事とメイドの裏表』、『魅惑のヴィクトリア朝』、『パブリック・スクール』、編訳書にジェイン・オースティン『ジェイン・オースティンの手紙』などがある。
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