『西遊記』形成史の研究(東洋學叢書)
『西遊記』形成史の研究(東洋學叢書)
【内容紹介】
明代における「四大奇書」の成立は、中国文学史の上で特異な色彩を放つ出来事である。その一つ、『西遊記』の形成過程を追い、中国小説の特色、中国文化のあり方を明らかにする。
明代には、四大奇書と呼ばれる作品が誕生した。『三国志通俗演義』『水滸伝』『金瓶梅』そして『西遊記』です。『西遊記』に関連するものとしては、『大唐三蔵取経詩話』から明後期には世徳堂刊本『西遊記』、清初の『西遊証道書』などが代表的です。なかでも、質・量ともに重要とされる世徳堂刊本『西遊記』が最重要書になります。しかし、その誕生までに長い歳月にわたる形成と流布の過程を経ています。当然半期には、唐三蔵伝説が誕生し、広がっていきます。それが、唐三蔵西天取経伝説へと発展し、宋代に唐三蔵西天取経物語が成立します。孫悟空と猪八戒という登場人物の魅力が加わり、明代の世徳堂刊本『西遊記』へとつながっていきます。
その後、清代には戯曲・絵図となって、さらなる歴史を刻んだ経過を丹念に追いかけます。
【目次】
序章 『西遊記』研究小史
第一章 唐前半期における唐三蔵伝説の発生とその拡散
第二章 唐後半期における四川・西北地方の唐三蔵西天取経伝説
第三章 唐代の密教文化に見える唐三蔵西天取経伝説
第四章 宋代における唐三蔵西天取経物語の成立と江南文化
第五章 「元本西遊記」の形態について
第六章 「元本西遊記」と虞集撰「西遊記原序」 丘處機の事跡をめぐって―
第七章 孫悟空像の形成とその発展
第八章 猪八戒像の形成とその発展
第九章 唐太宗入冥物語と陳蕊江流和尚物語
第十章 『楊東來先生評西遊記』劇の成立とその刊行 明前期の戯曲西遊記物語について―
第十一章 『迎紙賽社礼節伝簿四十曲宮調』に収められる「西遊記」隊舞戯
第十二章 明後期における『西遊記』の大成とその流布
第十三章 清代における『西遊記』の戯曲化と絵図化
第十四章 清代の『西遊記』と民間芸能
まとめ
あとがき
掲載図版一覧索引
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著
磯部 彰 (いそべ あきら)
1950 年生まれ。東京学芸大学社会科教育専攻卒業。1 東北大学大学院文学研究科中国文学専攻博士後期課程単位取得退学、富山大学人文学部専任講師、同助教授、教授を歴任。東北大学文学研究科教授、東北アジア研究センター教授を経て、同大学名誉教授。「「西遊記」形成史の研究」で文学博士(東北大)。
著書に、『「西遊記」形成史の研究』 『「西遊記」受容史の研究』 『「西遊記」資料の研究』 『旅行く孫悟空 東アジアの西遊記』 『東アジア典籍文化研究』 などがある。
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