解剖学の歴史
解剖学の歴史
◆重要◆
【表紙のデザインについて】
・この本の表紙は、
商品画像2枚目にあるサンプルと同様の
統一フォーマットになります。
【内容紹介】
解剖学とは、どんな学問だろうか。メスやピンセットで人体を直接取り扱う原始的な学問という印象とは裏腹に、その対象は私たちにとってかけがえのない切実なものであり、科学者は自然にどのように立ち向かい、自然科学という知の体系を導き出せるかという本質的な問題が集約されている。解剖学という枠組みなしには、人体は無秩序な肉塊にすぎない。本書は、こういった無秩序な自然を整理し、秩序だてて記載する営みである「自然誌」の視点から、解剖学の歴史と、解剖学者が抱えてきた問題のさまざまを考察する。
16世紀のヴェサリウスによって始められた近代的な解剖学は、現代医学の成立にあたってどんな役割を果たしたのか。兄弟ともいえる学問分野、生理学とはどんな特徴によって分かれたのか。
生物の形態には、いったいどんな意味があるのか。それを探究する際に現れる機能論と先験論という立場の対立。そして比較解剖学と進化論の関係や、物質論と顕微解剖学の関係など、論点は多岐にわたる。
さらに、解剖学者がたえず気にかける「形態と時間」の関係――個体発生と系統発生の重複するイメージや、教育と研究の関係まで。
解剖学の歩みをたどりながら、自然科学がもたらす成果だけではなく、自然そのものに目を向ける自然誌的な視点が、人間にとって必要なことではないか――と問いかける深い洞察の書。〔原本:『からだの自然誌』東京大学出版会、1993年刊〕
【目次】
はじめに 3
第一章 ヴェサリウスとハーヴィー:医学の基礎としての人体解剖学
第二章 解剖学と生理学:人体についての自然誌と自然哲学
第三章 生物形態の意味(一):解剖学における機能論と先験論
第四章 比較解剖学と進化論:生物科学における事実と解釈
第五章 生物形態の意味(二):顕微解剖学と物質論
第六章 生物界における階層性:多様性と反復可能性の問題
第七章 解剖学と時間:個体発生と系統発生
第八章 解剖学の現在:人体という自然をめぐって
学術文庫版のあとがき
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著
坂井 建雄(さかい たつお)
1953年,大阪府生まれ。東京大学医学部卒、東京大学医学部助教授、順天堂大学医学部教授を経て、現在、同大学保健医療学部特任教授。著書に『謎の解剖学者ヴェサリウス』『医学全史―西洋から東洋・日本まで』(筑摩書房)、『人体観の歴史』(岩波書店)、『図説 医学の歴史』(医学書院)など,訳書にE・S・ラッセル『動物の形態学と進化』(三省堂)、ガレノス『解剖学論集』(京都大学学術出版会)などがある。
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