農地立法史研究(上)
農地立法史研究(上)
農地は、国家の食糧供給のための社会資本でもある。農地をめぐる法律に、農地法、農業経営基盤強化促進法などがある。本書では、日本における農地をめぐる法律がどのように成立してきたのかを歴史的に辿る。
【目次】
はしがき
凡例
表目録
第一編 大正期における小作立法事業の推移
第一章 小作法立案の作業
第一節 序 大正中期の小作事情と小作制度調査委員会の設置
第二節 『小作法案研究資料』の出現まで
第三節 大正一〇年中における『小作法案研究資料』の審議
附表 『小作法案研究資料』第一次・第二次・第三次対照表
第二章 小作立法事業の方向の転換
第一節 朝日新聞の『小作法案研究資料』掲載とその波紋
第二節 小作争議対策としての小作法制定を不急のものと意識させるにいたった諸要因 特に小作争議に対処する警察の態勢の整備について
第三節 大正一一年二月の『小作法案研究資料』審議とその結末
第三章 小作制度調査委員会の小作調停法立案
第一節 『小作法案研究資料』の棚上げ 小作調停法の立案へ
第二節 小作調停法幹事私案の審議
第三節 小作制度調査委員会の小作調停法案答申
附表 小作調停法幹事私案・特別委員会案・答申案対照表
第四章 大正一二年から同一四年にかけての状況
第一節 小作調停法の制定
附表 第四六回帝国議会提出小作調停法案以降各案対照表
第二節 自作農創設維持方策に関する小作制度調査会の答申
第三節 小作法の問題をめぐる各方面の動き
附表 初期小作法諸案対照表
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著者
広中 俊雄(ひろなか としお)
1926〜2014年。法学者。東北大学名誉教授。専門は、民法、法社会学、財産法、契約法、日本の公安警察など。東京大学法学部卒業。法学博士(東京大学)。
著書に、『日本の警察』『契約法の研究』『債権各論講義(3巻)』『法と裁判』『借地借家判例の研究』『戦後日本の警察』『市民と法と警察と』『法と裁判』『民法論集』『警備公安警察の研究』『契約とその法的保護』『法社会学論集』『農地立法史研究 上』『借地借家判例の研究 2』『物権法 第2版 増補版』『言葉の新鮮さについてなど』『民法綱要 第1巻 (総論 上 民法の意義・権利) 新版』『国家への関心と人間への関心 ある法学研究者の歩み』『ある手紙のことなど』『民法解釈方法に関する十二講』『戦争放棄の思想についてなど』など、
訳書に、ハインリッヒ・ミッタイス『ドイツ私法概説』(共訳)などがある。